2019/08/27

「依存症当事者家族」の私がアルバの家族会に参加して

依存症お悩み相談室

「『家族会』とはどんなところなのでしょうか?」

 

「『家族会』の雰囲気を、予め知りたいです。」

 

自助グループや回復施設などで開かれる「家族会」

 

言葉は知っていても、実態はよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

私自身、依存症当事者の家族の経験があり、興味があり「家族会」について調べた経験があります。

 

しかし、これまで参加する機会がなく今回の「アルバ家族会」が初めてでした。

 

家族会に参加したことで、自分の中の気持ちが整理された気がします。

 

この記事では「家族会」についてお話します。

 

※「アルバ」は、当社ヒューマンアルバの回復施設の名前です。神奈川県川崎市多摩区にある、都会の喧騒から離れたのどかな地域にございます。

 

目次

 

1. 家族会とは?

最初にアルバの家族会を紹介する前に「家族会」について簡単に触れます。

 

家族会は、以下のように説明されます。

 

「依存症、精神障がい、発達障がいなどの病気」や「不登校・引きこもり」などお持ちの方の家族が、お互いに気持ちを語り合うことや助け合うことで、お互いを支えあおうという目的で運営されている集団。

 

臨床の文脈では「依存症者の家族」は、依存症による症状のせいで、暴力や経済的な困窮にさらされる可能性があります。

 

日々の当事者との関わり合いの中で、深く傷ついている方もいるでしょう。

 

家族会に参加することで、「日頃の気持ち」を安心して話すことができ、少し気が楽になるかもしれません。

 

同じ悩みを抱えた方に自分の話を聞いてもらうことで、気持ちを受容してもらえる体験をします。

 

そうすることで孤独感が少なくなります。

 

似た悩みを経験し、今はその経験を乗り越えた人も「家族会」に参加しているケースがあります。

 

そのため、「自分は今うまくいっていないけれど、いつか乗り越えられる」と将来に希望を持つことができます。

 

苦しんでいる当事者や家族に向け、勉強会を開催している家族会もあります。

 

家族会に参加することで、必要な知識を身につけることができるかもしれません。

 

2. 「アルバ家族会」印象の変化

アルバ家族会

実際に参加してみた「アルバの家族会」についてお話していきます。

 

そもそも、私は1年ほどヒューマンアルバでマーケティングのインターンをしていました。

 

しかし、これまでアルバの「家族会」には参加したことがありませんでした。

 

自分が「依存症当事者の家族」でありながら、当事者である弟に何もできなかったという罪悪感があったからです。

 

家族会が「当事者家族の癒しの場」であることは、知識の上で知っていました。

 

だからこそ、何も当事者に対して貢献できていない私が癒されていいのだろうか?という葛藤があり、一度も参加していませんでした。

 

弟は依存症だった頃、幸いにも母の勧めで通い始めた病院の精神科医や臨床心理士の方のおかげで、社会復帰を果たしました。

 

現在大学生として幸せに過ごしています。

 

しかし、将来に向けて就職を考えた時、弟は私に様々な気持ちを話してくれます。

 

弟は依存症になって失ったものの悲しみや将来の不安を口にし、どう生きていいか分からず、悩んでいるように感じます。

 

そんな弟に対して自分は何ができるのか知りたいという思いを抱え、家族会に参加しました。

 

《参加する前》
これまで、他の自助グループには参加したことがありましたが、「家族会」に参加したことはありませんでした。

 

漠然と、「家族会」は自分の家族のことについて話す場だと感じていて、「家族(悩んでいる当事者)を差し置き、本人のいないところで話すこと」に葛藤がありました。

 

とはいえ、家族の気持ちを話さない(分かち合い等の中で気持ちを言わず、パスすること)ことでその場の空気を重くしてしまい、参加する他の方に嫌な思いをさせるのではないかと、ここでも考えてしまいました。

 

一方で、当事者の家族だった経験から、そして自分自身がインターンする中で興味があったことから、今回の参加を決めました。

 

《参加した後》

参加する中で、自分が家族と静かに向き合える時間が頂けたと感じています。

 

家族を思うあまり、どうしても「自分のせいで家族は不幸なんだ」と感じがちでした。

 

ただ、それが実際に事実かどうかではなく、「どうしたら家族は幸せになれるんだろう」と考えること、そして家族が回復したいと願った時に、一緒に歩んでいけるように、自分自身が元気でいる必要性を感じました。

 

知識をつけ、少しでも当事者が「こうなりたい」と願った時に、その願いを支えられるようになりたいと思いました。

 

3. 【体験談】アルバ家族会ルポ

依存症の家族会

①到着の前後

私は8月末の「家族会」に参加しました。

 

当日はとても暑く、施設までの坂道を駆け上がるだけで汗びっしょりでした。

 

アルバの施設に入ると、スタッフさんが笑顔で迎えてくれ、優しく話しかけてくれました。

 

スタッフさんの笑顔を見ているだけで、なんだかほっとした気持ちになりました。

②当日のタイムテーブル

アルバの家族会は2部構成で行われます。

 

第1部は「分かち合いの時間」です。

 

依存症当事者の家族、支援者の方が自分の気持ちを参加者にシェアしていきます。

 

依存症の家族のことを、友人や同僚に話せない方でも安心して話すことができます。

 

というのも、当事者への罪悪感や周囲に理解してもらえないのではという恐怖などで、伝えることができない方もいるからです。

 

現に私は「一番苦しいのは弟だ。だから自分が苦しいなんて誰にも言えない」と思い、自分の悩みを口にすることはありませんでした。

 

そのため、罪悪感や悩みを抱えていても、「あなたは安心してその苦しみを話していいんですよ」という場はとても貴重だと感じています。

 

話すことがつらければ「パス」も可能です。

 

第2部は「講義 / ワークショップ」が行われます。

 

依存症当事者へのよいコミュニケーションを取るためのコツ(CRAFT)の講義や、当事者家族が「生きやすく」なれるよう心理療法(スキーマ療法)などを勉強します。

 

実際に運営者である金井(弊社代表)の事例を交えながら、講義は進みます。

 

決して受け身の講演ではなく、参加者にも発言する場があり、自分の学びを深められます。

 

運営者である金井が場の空気を丁寧に作ってくださるので、もし途中でつらくなって話せなくなっても安心して「パス」できます。

 

③家族会内での出来事

2つの印象的なエピソードがありました。

 

1つは、アルバのスタッフさんが、家族に対する思いを話してくれた場面です。

 

以前からアルバの家族会に参加して頂いており、分かち合いの時間で「CRAFT」等の勉強を、実際に当事者との関わりの中で活かしてくれているという内容でした。

 

月日がながれるにつれ、当事者に「○○してくれてありがとう」と感謝の気持ちが伝えられるようになったと話していらっしゃいました。

 

当事者に対して本音で話せるようになったことや、当事者を信じる気持ちが強くなり、絆が深まった話を聞かせてくれました。

 

2つ目は、今回の家族会の主催者である金井の内容です。

 

金井は「高校の頃、自身がパニック障害を起こし、つらさを抱えていたころ、『これ以上母に心配をかけたくない』という理由から、病院と繋がった、という経緯を話しました。

 

金井が「母のことを思いとった行動」をやわらかいトーンで話してくれました。

 

そして「大切な人のためにも、家族が元気でいることが大事」と伝えていました。

 

「当事者が何かのきっかけで『よくなりたい』と願った時、彼らの支えとしてそばにいてあげられることが大切です。」

 

金井が自身の家族を思う気持ち、そしてそれだけでなく、参加者の方が「どうか元気でいてほしい」と願っている気持ち、両方を感じることができました。

 

④終了後の雰囲気

終了後は、参加者の方がスタッフの皆さんと笑顔で談笑している様子が印象に残っています。

 

スタッフさんや金井は、最後まで参加者の皆さんを笑顔で見送っておられました。

 

4. 「アルバ家族会」の特徴

依存症の家族会

①自分と向き合う場

私のように「家族」について考えることが辛くなってしまう方もいるかもしれません。

 

しかし、アルバの家族会ではあたたかい雰囲気で、「言いっぱなし、聞きっぱなし」で話ができます。

 

苦しい経験などを語ることで、改めて自分や家族と向き合えるようになると思います。

 

私は家族会を通して自分の家族と向き合えた気がします。

 

②希望を得ることのできる場

アルバの家族会では、同じような経験をした方との出会いがあります。

 

当事者が回復途上の方、まだ治療につながっていない方など様々です。

 

分かち合いの場など、自分の気持ちをシェアする際に、「依存症から回復しつつある人」がいるという話が聞けることもあります。

 

「分かち合い」を通して、自分や家族の依存症回復に、希望を持つことができるかもしれません。

 

③癒しの場

家族は日々、依存症者との関わりの中で傷つき、悲しみ、時に怒りを感じている場合があります。

 

しかし当事者を思うあまり、また依存症という病気の性質上、その気持ちを安心して話す機会・場がほとんどありません。

 

そんな時、話す機会・場が出来ることで、自分の気持ちを整理できるかもしれません。

 

話を聞いてもらい、また共感してもらうことで、自己受容感が高まることも考えられます。

 

④学びの場

依存症当事者と関わる際、有効とされるコミュニケーション技法「CRAFT」や、スキーマ療法についての講義を受けることで、今後の当事者との関わりに活かせるかもしれません。

 

実際にCRAFTを活用し、当事者と関わっていた参加者の方が、使ううちに、当事者に感謝の気持ちを伝えられるようになったと話しておられました。

 

⑤安心して通い続けられる場

家族会は、しばしばお金がかかる場合があります。

 

しかし、アルバの家族会は費用がかかりません。

 

弊社代表が「当事者家族」であること、また「家族も幸せにしたい」という気持ちから、様々な配慮がされているのだと思います。

 

5. まとめ

ここまでお読みいただきありがとうございます。

 

最後に今回の内容をまとめます。

 

  • ①家族会は、「依存症等を抱えた当事者の家族」が主に参加する場です。
  • ②家族会に参加することで、当事者とのふれあい方を学び、自分の気持ちに整理がつけられるようになるかもしれません。

  • ③アルバの家族会では、当事者だけでなく家族も幸せになれるよう、運営されています。

 

弊社では、依存症回復にむけた様々なプログラムを提供しております。

 

また、この記事でお伝えしたように「家族会」も定期的に開催しております。

 

今回お話したのは、「アルバ家族会」のほんの一部です。

 

依存症の問題はもちろん、「家族会」に関しても、お問い合わせお待ちしております。

 

お問い合わせはこちらから↓

社名: 株式会社ヒューマンアルバ
住所: 〒214-0038 神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7
TEL:044-385-3000044-385-3000(受付時間: 平日10:00-17:00)

ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会』を開催しております。
依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。
・つらい思いを吐き出す場として
・状況を変えていく学びの場として
ぜひ、ご活用ください。

 

参考:

・宮本真巳 『セルフケアを援助する (感性を磨く技法)』(1996)日本看護協会出版会

 

ライター名: 木原彩