2019/03/16

不安障害を抱え依存症に?|苦しみ続けた当事者への治療って?

不安障害 依存症

「また叱られてしまうかもしれない...。だからもう会社には行けない。」

 

「自分は通学途中で体調を崩してしまうかもしれません…。だからもう怖くて外に出ることさえできないんです...。」

 

あなたの身近には「生活に支障をきたすほどの不安感を抱えている人」はいませんか?

 

その人はもしかしたら不安障害という精神疾患に罹っているのかもしれません。

 

不安障害は、依存症などの精神疾患とも併発しやすいことで知られています。

 

この記事では不安障害について、依存症との併発の可能性、そしてこれらの治療法をご紹介します。

 

目次

 

1. 不安障害ってどんなもの?|定義と症状

まず不安障害についてご紹介します。

 

不安障害とは「恐怖や不安が過剰であったり、適切な期間を超えて持続し、心身に何らかの症状を引き起こす精神疾患」のことを言います。

 

もともとは「不安神経症」という名称で呼ばれる病気でした。

 

しかし、DSM-5では、パニック障害や社会不安障害、全般性不安障害などの病気をまとめたものの総称として位置づけられています。

 

ここで簡単に不安障害の1つである、パニック障害に触れておきます。

 

パニック障害は様々な精神疾患を併発する病気であるため、あえてここで説明させていただきます。

 

パニック障害は、

「突然、動機や発汗、震えや息苦しさ、窒息感や吐き気、胸部や腹部の違和感、めまいなどの症状が起きる発作を伴う不安障害の一種」です。

 

パニック障害の人は、「このままでは死んでしまうのではないか?」という不安に襲われがちだと言います。

 

パニック障害は決して珍しい病気ではなく、一生 の間にパニック障害になる人は100人に1~2人といわれます。

 

そして、パニック障害を含む不安障害は他の精神疾患との併発も多いと報告されています。

 

うつ病や不安障害同士の併発もありますが、不安障害と依存症との併発もあります。

 

例えば、不安障害におけるアルコール依存症などのアルコール使用障害※に陥っているそうで、パニック障害との重複は28.7%、強迫性障害は24%と報告されています。

 

※この中にはアルコール依存症も含まれます。

 

依存症と不安障害が併発する場合、大量飲酒の頻度の増加リスクや入院回数が増加するリスクがあるそうです。

 

2. 不安障害は依存症と併発する?

なぜ不安障害と依存症が併発しうるのでしょうか?

 

理由としては、不安障害の症状である「不安感や不安感による動機や息苦しさからの一時的な緩和」のために飲酒してしまい、それがアルコール依存症などに繋がってしまうこと等が挙げられます。

 

例えば、不安障害の1つであるパニック障害の症状のには重篤な発作や恐怖感があり、それらを抑えるためにアルコールを飲酒するケースもあります。

 

アルコール等を大量に摂取したとしても、その不安が抑えられるのは一次的に過ぎず、不安障害を抱える人はその症状により、不安を抱え続けます。

 

そうした苦しみから逃れるために、アルコール等がやめられずアルコール依存症などの依存症になりうる場合があります。

 

これは、自己治療仮説とも呼ばれています。

 

自己治療仮説は

 

「患っている人※は薬物やアルコールを使用することで、精神的な障害や傷んだ情緒への抗精神効果のために使わざるを得なくなっていること」

 

と定義されています。

 

※ここでは不安障害になり不安等の症状を呈している人

 

不安障害等の精神障害等当事者(患者)はその症状の苦しみを、薬物やアルコールを摂取することで一次的に不安の抑制します。

 

不安障害で生じる不安感を飲酒や薬物に頼り、抑えることによって、不安障害による症状が緩和します。

 

上記のアルコール摂取も、不安感を一時的に抑えるために行われているとみられます。

 

不安障害を併発する人がアルコールを摂取するのは、快楽のためではなく、苦しみを軽くする適応行動の1つだったのです。

 

3. 不安障害と依存症を併発した人の治療法

不安障害と依存症が併発した方への治療法をご紹介します。

 

認知行動療法

「現実の受け取り方」や「ものの見方」である認知に働きかけて、心のストレスを軽 くしていく治療法のことです。

 

不安障害の治療の際にはなぜ不安を感じてしまうのかを知り、自分の偏っ たこだわりや思い込みを、今までとは違った視点 に立って解釈して、考え方を変えていこうとします。

 

パニック障害なら「症状は時間が経 てば自然に治まる」などと自分に言い聞かせて、 考え方を変容できるように認知を変えていきます。

 

薬物療法

不安障害等の精神疾患や依存症治療の際に、症状を緩和させることが期待されている療法です。

 

しかし、薬物療法を行うことで、かえって薬物依存のリスクもあるため、必ず医師等の医療者の指示に従ってください。

 

不安障害と依存症が併発した場合は、SSRIなどの依存のリスクが少ない薬剤を使用することもあると言います。

 

不安障害と依存症を併発した場合、一人でもしくは家族だけで悩みを抱え込まず第三者を頼ってください。

 

具体的には、「依存症専門病院を含む病院」「精神保健福祉センター」「保健所」などです。

 

4. まとめ

今回は不安障害と依存症の関係性についてお話していきました。

 

改めて内容を整理します。

 

  • ①不安障害は「恐怖や不安が過剰であったり、適切な期間を超えて持続し、心身に何らかの症状を引き起こす精神疾患」です。

  • ②不安障害は、症状の苦しさにより、当事者が一次的にその苦しみから逃れるために依存症になるリスクがあります。

  • ③不安障害と依存症を併発した場合治療法はあります。1人で抱え込まず病院や精神保健センター、保健所など第三者に助けを求めてください。

 

私たちヒューマンアルバでは、依存症から回復するための回復プログラムを提供しています。

 

また、単なる依存症治療にとどまらず、依存症になる前から当事者が抱える「苦しみ」や「不安感」に寄り添い、その人が少しでも生きやすくなるよう支援しています。

 

もしご相談等あれば費用はかかりませんので、せひご連絡ください。

 

お電話でのご相談が難しければ、メールでも構いません。

 

自分たちだけで苦しまず、ぜひ私たちのような存在を頼っていただければと思います。

 

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

 

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・つらい思いを吐き出す場として

 

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参考:

エドワード・J・カンツィアン, マーク・J・アルバニーズ(2013)『人はなぜ依存症になるのか-自己治療としてのアディクションー』(松本俊彦訳)星和書店

・真栄里仁(2017)『アルコール依存症の重複障害』公衆衛生 81巻9号pp.738-744

Regier Darrel A ,et al Comorbidity of Mental-Disorders with Alcohol and Other Drug Abuse—Results from the Epidemiologic Catchment Area (ECA) Study. JAMA The Journal of the American Medical Association 264:2511-2518,1990

Khantzian EJ.(1985)The self-medication hypothesis of addictive disorders: focus on heroin and cocaine dependence.Am J Psychiatry.142(11):1259-64.

・永田利彦(2009)アルコール使用障害と不安障害の併発 精神経誌. 111 (7): 837-842

・樋口進(2009)精神疾患とアルコール使用障害との合併:その双方向的関係 精神経誌. 111 (7): 823-824

『不安障害について』(2015)東北大学保健管理センター

・『不安障害~パニック障害と社交不安障害~』(2015)  薬局新聞

 

ライター名: 木原彩