2018/12/13

ADHDの方は依存症に?|生きづらさと二次障害について

「ADHDと診断された息子がゲーム依存症で学校に行けていません。」

 

「ADHDの旦那の酒量がストレスからか増えています。アルコール依存でしょうか?」

 

ADHDとは、DSM‐5で明記された精神障害で、注意欠陥多動性障害と呼ばれています。

 

これは近年注目されている発達障害の1つだといわれています。

 

あなたは身近にADHDで依存症になった当事者がいるのではありませんか?

 

もしくはあなた自身がADHDで依存症なのではありませんか?

 

この記事では、ADHDの特徴と依存症との併発について、お伝えしていきます。

 

目次

 

1. ADHDの定義と特徴|二次障害で依存症やうつに

ADHDとは、Attention Deficit Hyperactivity Disorderの略称です。

 

「注意欠陥多動性障害」とも呼ばれています。

 

ADHDは「多動性」「衝動性」「不注意」の3つの特徴があり、発達障害と分類されています。

 

【多動性】

落ち着きがなく、じっとしていられないこと、活動量が多すぎること等が挙げられます。

 

座っているときも体をもじもじしたり、つねに動かしているなどの行動も見られます。

 

【不注意】

なくしものが多いこと、忘れっぽいこと等が挙げられます。

 

学校生活が始まるとケアレスミスが多いなどの行動も見られます。

 

【衝動性】

順番を待つのが難しかったり、突然走り出したり動き出すなどの行動が見られます。

 

これらの症状は、親御さんの関わり方やADHD本人のわがままによるものではなく、健常者とは脳の中枢神経系に何らかの違いがあるためだと考えられています。

 

そして、ADHDを抱える当事者は周囲の不適切なかかわりや、否定的な態度にさらされ続けることで二次障害を発症する可能性があります。

 

ADHDの子供は学童期に周囲から理解されずに、いじめられたりからかわれたりするケースもあると医療現場や学校現場からの声もあります。

 

周囲からの無理解や周囲からの叱責などが原因で「自分はダメな奴だ...。」と自己否定をし、情緒不安定になったり、抑うつ状態になりやすいなどするケースがあります。

 

2. ADHDの二次障害で依存症?|ADHDと依存症の関係

 

ここまでADHDの症状についてお伝えしました。

 

そしてADHDの二次障害の1つに「ギャンブル依存症」や「ネット依存症」などの依存症になりやすいといわれています。

 

ADHDの特有の症状に、不注意とともに存在する過集中があります。

 

なお過集中とは、ゲームなど好きなことだけに集中する(没頭する)ことを言います。

 

これらは注意を分配するのが苦手なADHD特有の症状だといいます。

 

不注意や過集中の性質から依存対象に関わってしまうと依存症になってしまうケースもあるのです。

 

また、前述したようにADHDの方は幼少期の失敗体験や周囲の無理解から抑うつ傾向になりやすいと報告があります。

 

そしてその抑うつ状態から1次的に逃れるために依存物質等を使用してしまう場合もあります。

 

3. 【体験談】ADHDによる生きづらさ |不登校を乗り越えて

ここからは体験談をお話します。

 

この体験談に登場するA君は、ADHDとASDを併発している子です。

 

学校の先生とのコミュニケーションのすれ違いにより、深く傷つき不登校になりました。

 

A君が不登校になったのは中学校2年生の時です。

 

彼自身中学受験で難関私立中学を受験しましたが落ちてしまいます。

 

彼なりに精いっぱい受験勉強をしたにも関わらず、合格できなかったことで彼は深く傷つきました。

 

中学に入り、部活や勉強を熱心にやり始め、受験に合格できなかったことを彼なりに乗り越えようとしていました。

 

剣道部と勉強を両立し、前に進んでいるように見えました。

 

しかし、彼の発達特性が原因でトラブルが起きてしまいます。

 

彼にはASD(自閉症スペクトラム)の傾向があり、感覚過敏がありました。

 

裸足になること、また、剣道部の練習中の音が気になってしまい、なかなか落ち着いて練習ができません。

 

はだしで練習することは、その学校の剣道部のルールでしたが、彼ははだしになることができませんでした。

 

特にASDの傾向のない人ならば、はだしになっても、足は痛くないと感じるのかもしれません。

 

しかしA君ははだしになることで、「足を針で刺されているようだ」と感じたようです。

 

それを顧問にA君は「生意気だ。はだしで練習するのがルールだ」といわれ、靴下を脱ぐように言われたそうです。

 

彼は急に怒鳴られたことにより、衝動的に顧問につかみかかってしまいます。

 

顧問ともみあいになったこと、そして、「ルールを守れ」と怒鳴られたことがきっかけで、その日以降彼は不登校になりました。

 

彼は不登校になり、「部活動での顧問との気持ちの上でのすれ違い」により深く傷ついていました。

 

そのため、彼はその心の傷や苦しみを埋めるために、ゲームをやり始めました。

 

もともと、中学受験の時も勉強のためにとゲームを我慢してきた子です。今までの我慢が爆発してしまい、ゲームをはじめます。

 

だんだんと昼夜逆転をし、ゲーム中心の生活になっていきます。

 

彼自身もつらい気持ちを紛らわすためにゲームを始めたのかもしれませんが、次第にゲームなしでは生活できなくなっていきます。

 

彼自身にも過集中の傾向があり、ゲームにのめりこんでいきます。

 

この頃から、A君の親御さんが少しずつ彼の将来を案じ、コミュニケーションを取り始めたり、選択肢を広げるため、通信制・定時制の高校の見学に行き始めました。

 

最初は上手くコミュニケーションが取れず、A君は誰が話しかけてもゲームをしていたそうです。

 

しかし、彼が中3の秋ごろになった時、「このままではまずい」と彼も思っていたのか、ある通信制の高校に見学に行きます。

 

高校見学の際に、A君家族を案内してくれた学生が彼と同じような経験から不登校になったそうです。

 

そして、その学生はその経験を乗り越えて、生き生きと高校生活を送っていたそうです。

 

彼はその学生との出会いを通して、また親御さんが必死に彼とコミュニケーションをとり、寄り添ってくれたことなどがきっかけで高校受験をします。

 

彼はある通信制の高校に合格し、現在はゲームをやりつつも彼なりにゲーム以外の楽しみを見つけ高校生活を送っています。

 

4. ADHDで依存症を抱えた人が生きやすくなるために

 

ADHDを抱えた人、そしてADHDで依存症を抱えた人が、少しでも生きやすくなる方法をご紹介します。

 

認知行動療法

認知行動療法とは、問題行動や精神障害等の症状などやその背後にある非適応的な行動パターン・思考パターンを系統的に変容していく行動科学的治療法を言います。

 

人は、周囲や環境の影響で物事の考え方や行動が不合理で歪んでしまい「生きづらさ」を抱える場合があります。

 

これらの思考や行動に介入することで、思考のゆがみが緩和され、精神障害の症状が緩和されます。

 

カウンセリング

ADHDで依存症を抱えた人の多くは二次障害を抱えています。

 

そして、二次障害は周囲からの不適切な対応によって生じたものがほとんどです。

 

その関わりの中で受けた傷を癒していく必要があります。

 

特に二次障害を持つ場合、「自分はダメな奴だ」と自己否定しているケースが幾度とあり、それらがうつ病等の精神疾患につながる可能性があります。

 

これらを支持的カウンセリングで心の傷を癒していく必要があります。

 

薬物療法

ADHDの治療にも、そしてADHDになり、依存症、もしくはその他の精神疾患を緩和させるために薬を投与する薬物療法があります。

 

精神科等にかかり、薬を処方され、医師の指示通りに薬を飲むことで気持ちが安定したり、不安が低下するなどの効果が期待されます。

 

しかし、薬は「あう・あわない」がありますし、また副作用等もあります。

 

5. まとめ

  • ①ADHDとは「注意欠陥多動性障害」と呼ばれ、「多動性」「衝動性」「不注意」の3つの特徴がみられます。
  • ②ADHDは周囲の不適切な対応で二次障害を発症し、依存症になるケースがあります。

  • ③ADHD・依存症の治療法として、『認知行動療法』『カウンセリング』『薬物療法』があります。

 

依存症は精神障害の1つです。

 

当事者は依存症になる前から苦しみを抱え、そこから逃れようと依存症になってしまったのでしょう。

 

依存症治療では、以前から抱えていた苦しみや傷を癒していく必要があります。

 

私たちヒューマンアルバでは、依存症回復に向けた無料相談を行っています。

 

当事者やその家族として依存症を経験したスタッフが、一人ひとりに寄り添い対応しています。

 

どんな小さなお悩みでも構いません。

 

何かありましたら、ぜひ一度ご連絡ください。

 

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社名: 株式会社ヒューマンアルバ

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

 

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

 

・つらい思いを吐き出す場として

 

・状況を変えていく学びの場として

 

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

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参考:

村上佳津美(2017)  『注意欠如・多動症(ADHD)特性の理解』心身医学

・特集:心身医学の臨床における発達障害特性の理解(2017)  心身医学

・小・中学校の通常の学級におけるLD、ADHD、高機能自閉症等の子どもの理解と支援のためのハンドブック (島根県立松江教育センター:平成19年3月)

原正吾 (2016)注意欠如多動症を併存するアルコール使用障害患者の臨床的特徴 川崎医科大学精神科学

斎藤万比古 『ADHD治療システムの中の薬物療法、その意義と限界』 (2008)  第104回日本精神神経学会総会

洲鎌 倫子・石﨑 朝世(2014)注意欠陥多動性障害 (ADHD) の薬物療法 —methylphenidate徐放錠およびatomoxetineの継続率等からみた有用性の検討—

 

ライター名: 木原彩

 

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