2018/11/09

ギャンブル依存症って治るの?|治療方法やプロセスの紹介

ギャンブル依存症,治療

「夫(妻)がギャンブルをやめられないのはなぜ?」

 

「ギャンブル依存症って治らないの?」

 

「息子(娘)を治療に繋げるにはどうしたらいいの?」

 

ギャンブル依存症の可能性がある、または既にギャンブル依存症と診断されているご家族をお持ちの皆さん。

 

ギャンブル依存症は治らないものだと諦めていないでしょうか?

 

「そもそもギャンブル依存って病気なの?」

 

そのように考えている方もいらっしゃるかもしれません。

 

「ギャンブル依存症」と聞くと、アルコールや薬物と異なり、性格などの人格的な問題として捉えられてしまうケースが少なくありません。

 

しかし、WHOではれっきとした病気として定義づけており、世界各地でも様々な回復プログラムが提供されています。

 

今回は、ギャンブル依存症のご家族を持つ皆様へ、ギャンブル依存の治療方法やその具体的なプロセスについてお伝えしていきたいと思います。

 

目次

 

1. ギャンブル依存症は治療できるの?

まず結論を言うと、ギャンブル依存症からの回復は可能です。

 

正確には、依存症の「完治」というより「克服」といった方が正しいかもしれません。

 

残念ながら一度ギャンブル依存に陥ると、その状態は脳の奥底まで記憶されてしまいます。

 

そのため、たとえ長期間ギャンブルから離れていたとしても、再びギャンブルに手を染めれば簡単に元の状態に戻ってしまうのです。

 

ギャンブル依存症から抜け出すためには、継続的にご自身の依存症と向き合うことが必要です。

 

完治できないからといって、それは依存症から抜け出せないということではありません。

 

ギャンブルに手をつけない生活を維持することで、社会生活に復帰することは十分可能です。

 

以下、具体的な治療方法を見ていきましょう。

 

2. ギャンブル依存症に効果的な治療法とは

ここではいくつか、ギャンブル依存症に効果的とされている治療法を紹介していきます。

 

①集団精神療法

ギャンブル依存症の状態にある人同士が集まり、お互いに体験談を語り合う形式の心理療法です。

 

この方法は現在、ギャンブル依存症に効果的な治療法として多くの機関で採用されています。

 

プログラムの中で、ギャンブル依存症者の方々はお互いに自身の経験を話していきます。

 

この過程で求められるのは、「話しっぱなし」や「聞きっぱなし」という姿勢です。

 

体験談を話すことは強制ではないので、はじめは話を聞くだけでも大丈夫です。

 

集団精神療法では、個人では気づきにくかったことに「他者」という存在を通して理解していきます。

 

相手を映し鏡のようにしてご自身の状況を理解してもらい、最終的に各依存症者の方々に内省状態を促します。 

②認知行動療法

依存症者の方の「認知」に働きかけ、こころのストレスを軽減させる心理療法です。

 

日々の生活における問題や困りごとの解決、軽減に効果的とされています。

 

ギャンブル依存症の場合、当事者たちは物事をネガティブに捉えているケースが少なくありません。

 

認知行動療法は、彼らの「認知の歪み」に焦点をあて、過度な悲観状態にならないようにする取り組みです。

③スキーマ療法

認知行動療法の発展系として、より深いレベルで認知構造の見直し、改善を図っていく治療法です。

④内観療法

元々は、吉本伊信という方が1940年代に浄土真宗の修行法をもとに開発した自己観察法です。

 

依存症の症状自体にはあえて焦点を当てず、内観3項目と呼ばれる

1. お世話いただいたこと

2. して返せたこと

3. ご迷惑かけたこと

という視点から過去の自分を省みる治療法です。

⑤薬物療法

中毒症状が著しい場合、医療機関による薬物療法がとられることがあります。

 

また、依存症と他の疾患で合併症を起こしている場合でも、状況次第で併発している疾患の治療を優先し薬物投与が行われることがあります。

 

ただし、薬物療法のみで依存症から回復させるアプローチは、現状確立していません。

 

依存症からの回復には、医療機関での通院や入院だけでなく、継続的な生活習慣の改善が必要です。

 

3. 治療と同じくらい重要な再発予防

ギャンブル依存症の治療では初期の入院や通院、治療プログラムだけでなく、その後の再発予防も欠かせません。

 

最初の項目でもお伝えしましたが、依存症の場合、たとえ長い間ギャンブル行為をやめていたとしても、一度再開すれば再び元の依存状態に戻ってしまうというケースは常に考えられるからです。

 

ギャンブル依存症は、一時的な通院や治療で完璧に克服できるものではありません。

 

「通院や治療はあくまで通過点。」という心構えが大事になります。

 

4. 依存症に向き合う上で、家族側にできること

ライフスタイル,生活改善

最後に、ギャンブル依存症者のご家族である皆さまへ、3つアドバイスさせていただきます。

 

①まずは依存症について理解を深めることが大事

1つ目に、ギャンブル依存症に関する適切な知識を得るようにしましょう。

 

最近は、インターネットを通じて簡単に情報にアクセスできるようになりました。

 

しかし、インターネット上の情報は玉石混交です。

 

まずは、信頼できる専門機関等に連絡し、彼らに相談できる体制を作ってください。

 

相談やアドバイスは無料で受け入れている団体がほとんどです。

 

また、ギャンブルによる負債への法的な解決方法など、治療スタッフの中には家族にとって必要な知識を持っている人も少なくありません。

 

自分たちで全てを抱え込まず、ぜひ一度連絡してみて下さい。

②依存症本人とは心理的、空間的に距離を置こう

そして2つ目に、実際に依存症状態のご家族とは、精神的にも物理的にも距離を取っていきましょう。

 

ギャンブル依存症の場合、依存症当事者の方々には自分たちの状況をしっかりと理解してもらう必要があります。

 

ギャンブル依存の渦中にいる方々に、少しでも援助が望めるものだと思われると、現状からの回復は見込めません。

 

依存症の問題を考える際に、「共依存」という言葉が出てきますが、これは「相手のため」の行為がいつのまにか自分のための行為に変わってしまうことを指す言葉です。

 

初めのうちは、「依存症から抜け出すため」とおこなっていた皆さまの援助が、いつの間にか依存症のご家族に尽くす援助に変わっている、という危険性は常にあります。

 

依存症からご家族が抜け出すためにも、そしてご家族側が「共依存」に陥らないようにするためにも、依存症当人との距離は積極的に空けてください。

③なによりも優先すべきは自分たちの健康

3つ目に、ギャンブル依存の問題を克服していくにあたり、自分たちのことを必要以上に責めないよう気をつけましょう。

 

まずは皆さまの心身のケアが第一です。

 

依存症者の家族である皆さまがこれまで負ってきた心身の苦労は計り知れるものではありません。

 

ご家族の中には「○○が依存症になったのは自分たちのせいなのではないか。」と、責任を感じてしまうケースもあります。

 

しかし、ぜひ覚えておいて頂きたいことは、依存症問題に内輪のみで対応することは、非常に困難だということです。

 

依存症に対する治療の過程で、自分たちが健康を害してしまっては元も子もありません。

 

ぜひプロである支援グループの手を借りて下さい。

 

そして必要以上に気を張らないよう気を付けてください。

 

5. まとめ

今回の記事では、ギャンブル依存症について治療法を交えながらまとめてきました。

 

改めて記事のポイントを整理します。

 

  • ①ギャンブル依存症からの回復は十分可能。

  • ②効果的な治療法はあるが、これまでの生活改善を図ることが最も大切。

  • ③家族側に必要なのは自分達の健康維持と依存症への理解。

 

ギャンブル依存からの回復までの道のりは、決して短くありません。

 

しかし、依存症から回復することは可能です。

 

自分たちで問題を抱え込まず、まずは専門のグループや施設等に連絡してみてください。

 

お問い合わせはこちらから↓

社名: 株式会社ヒューマンアルバ

住所: 〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7

TEL: 044-385-3000 (受付時間: 平日10:00-17:00)

 

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

 

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

 

・つらい思いを吐き出す場として

 

・状況を変えていく学びの場として

 

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

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参考:

・榎本稔 『よくわかる依存症』(2016) 主婦の友社

・クレイグ・ナッケン, 玉置悟訳『「やめられない心」依存症の正体』(2012)講談社

・帚木蓬生『ギャンブル依存とたたかう』(2004) 新潮選書

 

ライター名: ブランコ先生