2018/10/31

薬物依存症は克服できる! 回復に向けて家族にできる2つのこと

「家族は薬物依存症だと思うけど(あるいはそう診断されたけど)、どう克服すれば良いの?」

 

私たちの施設はもちろん、依存症の専門機関にはこのようなご相談が頻繫に寄せられています。

 

今この記事を読んでいる皆さまの中にも、

 

「依存症に対する漠然としたイメージは持っているが、家族がなった場合の具体的な克服方法までは知らない。」

 

という方は多いのではないでしょうか。

 

今回の記事では、薬物依存症の家族がいる方向けに、依存症当事者へ何ができるのか、またどうしたら依存症を克服できるのかお伝えします。

 

なお、薬物乱用・依存・中毒という場合の「薬物」にはアルコールやタバコなどが含まれますが、この記事では主にアヘンや麻薬等の一般的に認知されている薬物について扱っていきます。

 

アルコールやタバコそして麻薬との間で一般的な治療方法に大きな違いがあるわけではありません。

 

目次

 

1. 薬物依存症は克服できるの?

最初に結論をお伝えすると、薬物依存症は克服できます。

 

薬物を乱用することは脳も含めた多くの臓器を傷つけることにつながるため、簡単に回復できるものではありません。

 

そして依存症は進行すると脳さえも傷つけるため「完治すること」はありません。

 

しかし、医療機関や専門施設と連携することで依存症から立ち直ることは十分期待できます。

 

この時の薬物依存症克服の状態は「薬物依存症の当事者が薬物なしで生きていき、社会の中で生きていけること」を指します。

 

薬物依存症克服のために重要なのが医療機関だけでなく専門の施設、あるいは自助グループ等複数の団体を利用することです。

 

医療機関の役割はあくまで中毒症状の治療です。

 

また、依存症の専門病院であれば治療プログラムを提供していることはありますが、施設や自助グループの提供するプログラムとはいくらか異なります。

 

自助グループの依存症回復

 

必ずしも自分にあった治療プログラムが特定の施設のみで完結するとは限らないので、気を付けてください。

 

詳しくは、依存症の相談窓口となっているお近くの精神保健福祉センターや保健所等に連絡してみて下さい。

 

相談は無料で、精神精神保健福祉士などの専門家からアドバイスがもらえます。

 

2. 薬物依存症からの克服に向けて

ここでは少し掘り下げて、薬物依存症の克服のために必要な事項を見ていきます。

 

①依存症を助長する行動はしない

身内が依存症の場合、どうしても相手思うあまり依存症当事者へ説得を試みたり、借金の肩代わりをしてしまったりします。

 

しかし、依存症は脳の一部にダメージを与える精神疾患であるため、説得や肩代わりでは依存症を克服することはできません。

 

本人がたとえ回復を望んでいたとしても、頭の中では常に薬物をどう手に入れるかを考えてしまうのが実態です。

 

当事者を思い、「良く生きてほしい」と願い、説得したり、お金を渡してしまったりすることもあるかもしれませんが、それでは依存症をやめるきっかけを奪ってしまっています。

 

依存症当事者を思うからこそ、どうかここは突き放し、「援助はできない」と伝えることが必要です。

②専門的な情報を入手する。

「依存症は自分達(家族内)でなんとかなる問題だ」と思わないように注意して下さい。

 

依存症回復のためには、多くの専門的な知見や知識が不可欠です。

 

上記の様な誤解をしないためにも情報は信頼できるところから得るようにしましょう。

 

最近ではネット上にも良心的な記事が増えていますが、簡単に見分けることは困難です。

 

そうした場合はやはり、依存症に取り組む組織に直接連絡してみると良いでしょう。

 

ヒューマンアルバでは、依存症コラムの記事を執筆しています。

 

こちらもご参考にしてみてください。

 

3. 【体験談】ある薬物依存症者の克服

さて、ここまで薬物依存症克服についての方法について記事を書かせていただきました。

 

それでは実際に、薬物依存症は克服できるのでしょうか?

 

実際に薬物依存症、特に処方薬依存症を克服した50代男性Aさんの体験をお話しします。
 

Aさんの処方薬依存症の発症は家族との同居の解消のお願いがきっかけでした。

 

彼は、長女夫婦と同居中、長女夫婦と彼の3人暮らしをしていました。

 

しかし、長女の旦那の転勤が決まったこと、また旦那とAさんとの折り合いが悪いことが重なり、長女から「お父さん、一人暮らしをしてほしい」と要望がありました。

 

Aさんは一人で暮らしていく希望がわかず、職場でのストレスが重なり、心療内科を受診。向精神薬や睡眠薬を処方してもらいました。

 

少し飲むだけで、少しずつですが元気になれたので「もっと飲みたい」と願い、心療内科やクリニックに複数通い、多量摂取をしました。

 

その内に少しの量では「元気になった」と実感できないこと、また向精神薬が切れると、とたんに調子が悪くなることから、どんどん薬の量が増えていき、とうとうオーバードーズをしてしまい、病院に入院することになりました。

 

病院に入院すると、看護師や医師をはじめとする方々がAさんの不安に耳を傾けました。

 

Aさんは不安に耳を傾けてもらえたおかげで、少しずつですが、「このまま薬を飲み続けるのをやめたい」と思えるようになりました。

 

また、入院中にカウンセラー等がAさんの話を傾聴したことから、Aさん自身が「家族と一緒に暮らせないかもしれない寂しさ」や孤独感があったことに気が付きます。

 

退院後の生活についてもソーシャルワーカー等が一緒に考えてくれたこと、「寂しさ」を受容しつつ、他者とつながれるように、自助グループを紹介してもらえたことから少しずつですがAさんも元気になっていきました。

 

3か月病院にいたことで、離脱状態が徐々になくなっていき、少しずつ薬がなくても大丈夫になっていったのです。

 

Aさんは今は自助グループや病院に通院しながら、職場に復帰しました。職場では少しでも、Aさんにストレスがかからないようにと、沢山の方がAさんを気遣ってくれています。

 

仕事帰りに今でも病院に通い、医師やカウンセラーはAさんの不安にも耳を傾け続けています。

 

そして離れてしまった長女とも定期的に連絡を取り続けています。

 

近々長女夫婦に子どもができるそうで、Aさんも「孫ができること」を心待ちにしつつ、仕事を続けています。

 

この体験談から、薬物依存症になったきっかけとして、「孤独感や寂しさ、過度なストレス」が1つの要因だと考えられます。

 

病院に入院する中で、処方薬依存症になる前に抱えていた寂しさや苦しさに寄り添ってもらえることでAさんは少しずつ癒されていきました。

 

自助グループに通い職場に復帰したことで、人とのつながりを少しずつ構築し直します。

 

その結果、長女夫婦と一緒に住まなくても何とか生きていけるようになりました。

 

4. まとめ

いかがだったでしょうか。

 

改めてこれまでの話をまとめていきます。

 

  • ①薬物依存症は回復できる精神疾患です。

  • ②家族は依存症者を援助しないようにしましょう。

  • ③家族は依存症当事者のためにも専門的な依存症の知識を得ましょう。

 

依存症は心の病気です。

 

当事者は依存症以前から、何らかの苦しみや悲しみを抱えて生きてきたのかもしれません。

 

だからこそ、依存症治療の過程で抱えていた苦しみを癒していく必要があります。

 

私たちヒューマンアルバでは、依存症回復に向けた無料相談を行っています。

 

当事者やその家族として依存症を経験したスタ ッフが、一人ひとりに寄り添い対応しています。

 

・治療を受けさせたいけど、費用面に不安がある。

・薬物依存症をどうしたら克服できるのかしら...。

 

どんな小さなお悩みでも構いません。

 

あなたの意見を尊重し、共に回復へ向けて歩んでいきます。

 

お気軽にご相談ください。

 

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社名: 株式会社ヒューマンアルバ

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

 

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

 

・つらい思いを吐き出す場として

 

・状況を変えていく学びの場として

 

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

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参考:

・和田清『薬物依存の脳内メカニズム』(2010)講談社

 

ライター名: 木原彩

 

※紹介した事例は、記事の趣旨を損なわない範囲で、個人の特定ができないように一部内容を変更しています。また、本人やご家族の同意を得た上で記載しています。