2018/04/16

依存症再発のリスクのなりうる「引き金」とは?|定義と対処法

アルコール依存症のきっかけ

「あの人はアルコールをやめられたと思ったのに、またお酒飲んで...。もう疲れました。」

 

「息子がまた、抗うつ薬を多量摂取しているんです...。息子は苦しんでどうしようもなくて 薬を飲んでしまうのでしょうか?」

 

あなたはこう悩む依存症当事者の家族や周囲の方ではありませんか?

 

依存症は、「やめるぞ」と固く決心し、強い意志を持ち続けてもふとしたきっかけで再発してしまうリスクのある病気です。そうした引き金から、依存症の当事者は「ずっとお酒を飲まずにいられた」にも関わらず、再び飲酒してしまうケースがあります。

 

この記事では、依存症につながる引き金と、それらへの対策方法についてご紹介します。

 

目次

 

1. 依存症と引き金|「飲みたい」「使いたい」の気持ちが生じるきっかけって?

依存症治療の文脈で使われる「引き金」についてご説明していきます。

 

「引き金」とは、アルコールや薬物などに関連の深い「強く・深い刺激」のことをいいます。

 

例えば、アルコール依存症の方であれば、街中の居酒屋町などや、アルコール飲料のCMなどはこれに当たるかもしれません。

 

こうしたきっかけに日々出会うことで、実際に目の前にアルコールや薬物がなく、その場で摂取したり使用できる状況でもないのに、視界に入ることで、脳や体にも生理的な変化が起こり、結果的に「飲みたい」「使いたい」となってしまう可能性があります。

 

さてこの「引き金」ですが、「外的引き金」と「内的引き金」の2種類があります。

 

外的引き金とは、過去にアルコールや薬物を使用していた場所・状況・時間亭など様々な環境刺激となりうるもののことを言います。

 

内的引き金とは、「依存症を抱える人にある感情刺激」をいいます。

 

外的引き金として、薬物依存症の方で、薬物使用時に薬物仲間と一緒に薬物を使用していた場合は、「薬物はなくても、薬物使用時に会っていた仲間と出会うこと」も「外的引き金」となりうるのです。

 

以下はよくあるアルコール依存症、薬物依存症の方が「外的引き金」です。

・一人で部屋にいるとき

・飲み仲間や薬仲間と会うとき

・深夜の繁華街

・薬物を使用していた時にきいていた音楽

・売人の店の前を通った時

・使用していた車のなかやコンビニのトイレ

・ミネラルウォーターのボトル

・仕事終わりの金曜の夜

・自動販売機の前

 

一方内的引き金とは、さびしい気持ち、悲しい気持ちがありその気持ちを紛らわせるために、つよく「薬物を使いたい」と思うときなどは、「さびしい気持ち」、「悲しい気持ち」が「内的引き金」にあたります。

 

これ以外にも以下のようなものが「内的引き金」にあたります。

・不安

・落ち込み

・疲労

・多幸感

・怒り

・無力感

・孤独感

・プレッシャー

・退屈感

・悲しい

・敗北感・罪悪感

・焦燥感

・緊張

・空腹感

・消えたい気持ち

 

これらはふとしたきっかけで起きてしまう感情なので、一見気が付きにくいです。

 

そのため、感情に伴って生じる体の変化(体が硬くなる、胃が痛くなるなど)に着目し、体の変化が生じた時に意識的にリラクゼーションを図ることもよいかもしれません。

 

2. 引き金を回避するには?

依存症の引き金回避

最後に「引き金」を回避する方法をお伝えします。

 

外的引き金の方が、対処法がある程度確立されているため、先に外的引き金をご紹介します。

 

「外的引き金」は極力さける

外的な引き金を避けるには、外的な引き金となりうるものから距離をおくことです。

 

例えば、仕事の帰り道に繁華街がある場合は、遠回りしてでも繁華街に行かないで済むようにして、アルコールの渇望を抑えるなどの工夫が必要です。

 

それ以外にも、薬物を一緒に使っていた仲間の連絡先をすべて消すことにより、ケータイ等をみても、薬物を使用していたことを意識的に思い出さないようにすることもできるでしょう。

 

これらの工夫を通して、外的な引き金を意識して回避できます。

 

「内的引き金」は、リラクゼーションや安心できる誰かに相談を

外的な引き金に比べ、内的引き金は対処することが難しいです。

 

もともと依存症を抱えている方は、上記にあげた感情(孤独感、寂しさ、罪悪感など)にふたをするためにアルコールや薬物を使っていた可能性があります。そのため、これらの感情を感じた時の対処法などがあまりないかもしれません。

 

月並みになりますが、自分が落ち着くワークやリラクゼーションを持っておくとよいでしょう。(私は精神的につらいときは、音楽を聴いいたり、ピアノを弾いたりします。そうすることで少しずつ感情が落ち着いてくるのがわかります。)

 

他には、何か渇望が生じそうな時に連絡できる「連絡リスト」を用意しておくのも手かもしれません。

 

例えばですが、自分の「依存行動をやめたいけど、やめられない…」に寄り添ってくれる自助グループの仲間に連絡する、自分のことをわかってくれる家族や友人がいれば相談をする、などです。そうすることで、少し気持ちが落ち着くかもしれません。

 

自分なりに落ち着く方法を見つけておくことは、再飲酒等のリスクを下げることに繋がります。

 

3. まとめ

ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 

今回は、依存症における引き金について、そしてそれらへの対処法をお伝えしました。

 

私の経験等も交えながらお話ししましたがいかがだったでしょうか?

 

最後にこれまでの内容を振り返っていきましょう

 

  • ①依存症における引き金とは、アルコールや薬物などに関連の深い「強く・深い刺激」のことです。

  • ②依存症における引き金には「外的引き金」と「内的引き金」があります。

  • ③依存症における引き金への対処法として、引き金自体に近づかない、努めてリラクゼーションの時間を取るなどがあるでしょう。

 

私たちヒューマンアルバでは、回復プログラムだけでなく住居支援等も行っています。依存症から回復した後少しでも実社会に近い環境で、回復のためのプログラムを受けることができます。

 

実社会に近い生活を弊社で送ることで、外的引き金・内的引き金、両方に対する自分の対処法等もプログラム中に見つけられるかもしれません。

 

弊社では回復にむけた無料相談も行っています。依存症について些細なことでもお悩みがあれば一人で抱え込まずぜひ頼っていただけたらと思います

 

お問い合わせはこちらから↓

社名: 株式会社ヒューマンアルバ

住所: 〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7

TEL: 044-385-3000 (受付時間: 平日10:00-17:00)

 

--------------------------------------------------------------------------------------------

ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

 

・つらい思いを吐き出す場として

 

・状況を変えていく学びの場として

 

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

----------------------------------------------------------------------------------------------

 

参考:

・松本俊彦『薬物依存とアディクションと精神医学』(2012) 金剛出版 pp69-71

・松本俊彦, 小林桜児, 今村扶美『薬物・アルコール依存症からの回復支援ワークブック』(2011) 金剛出版

・松本俊彦『臨床心理学』増刊第8号 やさしいみんなのアディクション(2016) 金剛出版

 

ライター名: 松友萌