2019/01/03

「依存症は誰しも起こりうる」|アルコール依存症の3つの原因

「夫がアルコール依存症かもしれなくて…。いったいなぜ依存症になったんでしょう?」

 

「アルコール依存症に息子がなってしまって…。私の育て方が悪かったのでしょうか?」

 

アルコール依存症は2013年に行われた、日本の疫学調査によって,107万人の依存症当事者がいると推定されています。しかし、アルコール依存症の診断を受け治療を受けている依存症当事者は、わずか4万人とも言われ、アルコール依存症の可能性があるにも関わらず、依存症当事者一人で、もしくは家族だけで抱え込んでいる可能性が高い現状があります。

 

アルコール依存症の唯一の原因は分かっておらず、様々な要因が関係して依存症になるといわれています。例えば仕事でのストレスや遺伝的な要素など様々な要因が絡みあい依存症になっているだろうと考えられます。

 

あなたはアルコール依存症者の家族やパートナーなどで、身近にアルコール依存症者がいるのではありませんか?

 

このコラムではアルコール依存症の原因について実際に体験談を交えながらお伝えします。

 

目次

 

1. アルコール依存症とは?|定義とチェックリスト

アルコール依存症とは、「アルコール摂取のコントロールができなくなること」を言います。依存症は精神疾患で、その原因は本人の怠けや甘えではありません。

 

なお、アルコール依存症の定義は、臨床場面で使用されるICD-10によれば、「薬物依存症の一種で、飲酒などアルコールの摂取によって得られる精神的、肉体的な薬理作用に強く囚われ、自らの意思で飲酒行動をコントロールできなくなり、強迫的に飲酒行為を繰り返す精神障害である。」とされています。

 

アルコール依存症の診断基準についてICD-10では以下のように記載され、臨床現場で使用されています。【ICD-10(WHO の定めた診断基準)によるアルコール依存症】過去1年間のある期間に、次の項目のうち3つ以上がともに存在した場合に、依存症の疑いがあります。

 

① アルコールを摂取したいという強い欲望が抑えられない。終業前になると決まって飲みに

 行くことを考える。家には常に酒を用意している。進行すると、帰宅まで待ちきれずに車中

 で飲んだり、隠れてあるいは出勤しないで飲むようになる。 

②アルコールの使用量をコントロールできない。飲み始めると際限がなくなり、あるだけ飲ん

 でしまう。

③飲酒を中止もしくは減量すると離脱状態と呼ばれる現象があらわれる。つまり、飲まないと

 イライラして落ちつかない、発汗する、脈が速くなる、寝られない、手が震えるなどの症状

 があらわれる。進行すると、全身の大きな震え、幻覚、妄想などもあらわれる。

④かつてと同じ量では酔えなくなり、酒量が極端に増えた。

⑤飲酒以外のことに関心が向かない。家族で過ごす時間や会話が減る。外出しても飲酒が優先

 事項になる。休日には朝から飲酒する。

⑥明らかに有害な結果が起きている。たとえば、飲酒に原因する病気(肝臓病、高血圧、糖尿

 病、心臓病)、う つ状態などの悪化、家庭内でのトラブル、飲酒によって周囲の信頼を失う

 ことなどがある。それにもか かわらず、どうしても飲酒を止められない。

 

これらの項目をチェックし「私はアルコール依存症かもしれない...?」「旦那はアルコール依存症だったんだ...」など思われた方は、一人で悩まず病院や依存症回復施設などにご相談ください。

 

私たちヒューマンアルバでも依存症回復のための無料相談を実施しています。

 

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なお以下の診断基準だけでなく、近年「アルコール依存症かどうか」チェックできる簡易テストなども作成されています。よろしければ、こちらもご参照ください。

 

2. アルコール依存症の原因3つ

先ほどもお伝えしました通り、アルコール依存症の唯一の原因は断定できません。実際、依存症の原因はいくつもの問題が複合的に絡み合い依存症になった可能性が高いです。

 

しかし、アルコール依存症を発症しうる要因は近年の研究でいくつか明らかにされ始めています。

ここでは代表的な3つの要因についてお伝えします。

遺伝的要因

「親・祖父母の代にアルコール依存症、または、アルコール依存症が疑われる人がいる」という方はアルコール依存症になりやすい遺伝的素質があるといわれています。ある家系調査を行った研究によると、男性には共通の遺伝子があるとも言われています。また、アルコール依存症や肝臓におけるアルコール代謝について、危険因子となる遺伝子も見つけられつつあるという研究もあります。

環境的要因

環境的要因について説明します。アルコール依存症は飲酒習慣のある人なら発症しうる病気です。そして、アルコール依存症の人の周りの環境が「アルコールを摂取しやすい」場合、アルコール依存症になる可能性があります。

 

例えば以下の様なものが要因として考えられます。

・幼少期親が多量飲酒をする習慣がある

・友人・同僚・上司から飲酒を勧められる

・周囲者のアルコール摂取への肯定的な態度

心理的要因

心理的要因として、何らかの「生きづらさ」「苦しみ」「孤独感」からアルコール依存症になるケースがあるといわれています。例えば、アルコール依存症の原因の1つとして、「心的外傷を含む大きなストレス」が懸念されています。

 

近年では、震災や災害後に大きなストレスや傷つきを抱えた人が、環境の変化に適応できずない、何かを失った喪失から喪失感に苦しむなどから、アルコール依存症になるケースもあることが報告されています。

 

また、弊社を利用している方やアルコール依存症当事者とのかかわりの中で以下の心理的側面を持つ人が多いように思えます。

 

例えば以下の様な人たちです。

・自己肯定感が低く、社会生活を送るうえでしんどさを抱える人

・孤独感を抱え、虚しさを抱えている人

・不安感が強く、傷つき経験などをもちその傷を癒せていない人

・Noを言えない優しい人、過度に周囲に気を使う人

 

これらの心理的側面のせいで「生きていくことへのつらさ」を抱え、その苦しみから一時的に逃れるためにアルコールを摂取し、それがアルコール依存症に繋がる可能性があります。

 

3. まとめ

①アルコール依存症とは「アルコールの摂取をコントロールできなくなる」精神疾患で、依存症当事者の甘えや怠けが原因ではありません。

②アルコール依存症の唯一の原因はわかっておりませんがいくつかの要因が重なって依存症になるのでしょう。

 

アルコール依存症は、多くの人が一人でもしくは家族だけで抱え込み、治療につながらない病といわれています。

 

しかし、依存症当時者はもしかしたら依存症になる前から苦しんでいるかもしれません。そして、依存症の家族は、依存症当事者のケアなどに疲弊しとても苦しい思いを抱えているかもしれません。

 

依存症は適切に第三者を頼れば回復する可能性があります。そのため一人で抱え込まず、依存症専門病棟、依存症回復施設などを頼ってください。

 

私たち、ヒューマンアルバでは依存症回復に向けた無料相談を行っています。そこでは、依存症の当事者やその家族として依存症を体感した経験を持つスタッフが依存症の方やご家族一人一人に寄り添った対応を行なっています。

 

「アルコール依存症の旦那がいて...  もうどうしていいかわかりません。」

 

「つらいです、苦しいです。」

 

どんな小さなお悩みも、あなたの意見を尊重しながら、回復に向けて共に歩んでいきます。

お気軽にご相談ください。

 

お問い合わせはこちらから:http://human-alba.com/contact/

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

 

・つらい思いを吐き出す場として

 

・状況を変えていく学びの場として

 

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

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参考:

杠岳文, 武藤岳夫, 遠藤光一, 吉森智香子  アルコール使用障害の治療目標(2017)精神神経学

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4. Cadoret, R.J., Winokur, G., Langbehn, D., et al (1996)Depression spectrum disease,

 I: The role of gene ­environment interaction. Am J Psychiatry 153: 892­899,. The

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竹下達也  飲酒行動を決定する遺伝要因とその健康影響 (1999)日本衛生学雑誌

Chao Y-C, Young T-H, Tang H-S, Hsu C-T.(1997) Alcoholism and alcoholic organ

 damage and genetic polymorphisms of alcohol metabolizing enzymes in Chinese

 patients. Hepatology 25: 112-7. AASLD 

黒木俊秀  災害ストレスと心のケア (2005) 慶應義塾大学出版会

 

ライター名: 松友萌