2018/12/23

アルコール依存症って治るの? 〜治療方法や家族に出来ること〜

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「夫、妻がお酒をやめられないのはなぜ?」

 

「アルコール依存症って治るの?」

 

「治療に繋げるにはどうしたらいいの?」 

 

アルコール依存症の可能性がある、または既にアルコール依存症と診断されているご家族を
お持ちの皆さん。アルコール依存症は治らないものだと諦めていませんか?

 

アルコール依存症からの社会復帰は十分に可能です。 

 

近年、ARP(アルコールリハビリテーションプログラム)や抗酒薬、認知行動療法といった)様々な治療方法が確立されるようになり、社会復帰や健康的な生活を取り戻すことは十分可能になりました。

 

今回は、アルコール依存症のご家族を持つ皆様へ、アルコール依存の治療方法やその具体的なプロセスについてお伝えしていきたいと思います。

 

目次

 

1. アルコール依存症は治るの?

結論から言うと、アルコール依存症からの回復は可能です。

 

正確に言えば、依存症の「完治」は出来なくても「社会復帰」 

は可能だということです。

 

アルコール依存症とは、飲酒のコントロールが自分で出来なくなる病気であり、再び自制して
飲めるようになることは、現時点では不可能とされています。

 

そのため、アルコール依存症の治療とは「禁酒の継続」を目標としています。

 

現在はアルコール依存症に対する様々な治療方法が確立されており、「依存症を治したい」
という本人やご家族の意志さえあれば、アルコールに依存しない健康的な生活や社会復帰を
目指すことも十分に可能です。

 

まずはその具体的な治療方法について見ていきましょう。

 

2. アルコール依存症に効果的な治療法とは

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アルコール依存症には様々な治療方法が確立されています。ここでは、いくつか代表的なものを
紹介させていただきます。

 

2-1 重度のアルコール依存症は入院治療

 

・身体合併症や離脱症状により日常生活に支障がある

・認知機能の低下や抑うつ状態にあり、自分で考えて行動できない

・治療のため家族と距離を置く必要がある

 

このような症状の重い方は入院療法通院療法が一般的です。

 

最初は離脱症状を安全に管理し、健康が維持できたらARP(アルコールリハビリテーションプログラム)によって健康な生活リズムを形成していきます。そして勉強会などを通してアルコールや
依存症に対する正しい知識を身に付けながら、退院後の生活に向けて継続可能な禁酒計画を
立てていきます。

 

プログラムの内容は、勉強会のみならず、運動などを含めた作業療法や、依存症当事者同士
による自助会などが用意されており、退院までの2〜3ヶ月を通して、禁酒の習慣や健康的な
生活、さらには社会復帰に必要な協調性を育んでいきます。ただし、継続的な通院、通所は
必要となります。

2-2 軽度のアルコール依存症は薬物治療

離脱症状や認知機能の低下が少なく、日常生活に大きな支障がない方は投薬治療も可能です。

 

薬物療法には大きく分けて抗酒薬抗酒補助薬の二つがあります。

 

まず、抗酒薬とは「アルコールを全く受け付けない体質」にする薬です。代表的な抗酒薬には
「シアナマイド」や「ノックビン」といったものがあります。

 

これらの薬を服用すると、飲酒することで頭痛や吐き気、動悸といった症状が出るようになり、
主体的に「飲みたくない」と思わせることで禁酒をサポートすることが出来ます。

 

一方、抗酒補助薬とは中枢神経に作用して「飲みたい」と思う気持ちを抑える薬です。
代表的な坑酒補助薬には「レグテクト」や「アカンプロセート」といったものがあり、
抗酒薬ほど強い効果は期待できませんが、十分に禁酒継続の助けとなり得ます。

 

2-3 アルコール依存症と付き合うための心理療法

通院治療、投薬療法の他にも、臨床心理士等による心理療法・カウンセリングも効果的です。

 

ここでは最も代表的な心理療法である認知行動療法について紹介します。

 

認知行動療法とは、お酒に対する考え方や行動を自分自身で見直すことで、飲酒問題の根本的な
原因へアプローチする治療です。

 

特にアルコール依存症の患者は、自身の飲酒問題を過小評価したり、正当化したりする傾向があり、
これらの偏りを自分自身で見直すことで、継続的な禁酒をサポートすることが出来ます。

 

また、認知行動療法によって、依存症患者がもともと抱えていた悩みや生きづらさを解消出来る
こともあり、より本質的な解決が期待できることもあります。

 

3. アルコール依存症の家族が出来ること

家族,サポート

アルコール依存症を克服するためにはご家族の協力も不可欠です。ここではご家族の皆さまに
向けて三つのアドバイスをさせていただきます。

 

3-1 家族にアルコール依存症の疑いがあったら

家族にアルコール依存症の疑いがあったら、まずは専門医療機関や精神保健福祉センター等に
相談をして下さい。

 

依存症の回復には専門家による適切な治療が不可欠であり、身内で解決しようとすると、
かえって問題が大きくなってしまうこともあります。

 

アルコール依存症は「否認の病」と呼ばれ、自身が依存症であることを認めがらない病気です。

 

そのため、例え「アルコールをやめたい」と本人が思っていたとしても、飲酒への強い欲求から、
飲酒を正当化してしまったり、家族や医師に対して攻撃的な態度を取ってしまったりすることが
珍しくありません。

 

ご家族の皆さんが専門医療機関への受診を勧める際は、決して高圧的な態度で強制せず、
当事者の気持ちに寄り添う」ことを大切にして下さい。

 

3-2 家族がアルコール依存症と診断されたら

実際にアルコール依存症と診断されたら、ご家族の皆様も依存症に対する正しい知識を
身につけましょう

 

(弊社でも依存症についてコラムを執筆しています。依存症の知識を深めるために活用して
いただけたら幸いです。)

参考:依存症のメカニズム|依存してしまう原因とその対策とは

参考:依存症にも種類がある?なってしまう原因と対策とは

 

依存症のリハビリの過程においてご家族の協力は非常に大切です。そのため、アルコール
依存症の患者を抱えたご家族が、様々な飲酒の問題に巻き込まれ、精神的に疲れ切って
しまうことが頻繫に起こります。

 

そのようにならないためにも、まずはご家族自身がアルコール依存症という病気と当事者への
対応について、正しい知識を学ぶことが大切です。また、ご家族自身が心のケアを受けることも
忘れてはいけません。

 

専門医療機関の家族教室や自治体の家族向けのセミナー、さらには自助グループの家族会などに
足を運び、アドバイスを受けたり、悩みを相談したりすることをお勧めします。

 

家族向けセミナーにつきましては、ぜひ以下のサイトなども参考にしてみてください。

参考:特定営利活動法人 アラノン・ジャパン

 

3-3 治療中の注意点

先にも述べた通り、アルコール依存症の治療は「断酒の継続」であり、お酒のない新しい生活を
作っていくことが必要となります。

 

そのためにはご家族をはじめ、職場などの周囲の方々の理解が不可欠で、時には厳しく接する
ことも必要です。

 

よく「お酒で起こした問題の尻拭いをする」や「飲酒してしまったことを隠す」といった行動
をとってしまうご家族がいらっしゃいますが、これらは当事者の飲酒を助長してしまう行為
であり、「
共依存」と呼ばれます。

 

たとえ本人のためだと思って取った行動だとしても、「共依存」とならないよう厳しく接する
ことも大切です。また、お酒に関する話題を目の前でしないなど、くれぐれも飲酒を助長しない
ように
努めましょう。

 

4.まとめ

今回はアルコール依存症について、治療法を交えながらご紹介させていただきましたが、
いかがだったでしょうか。

 

改めてアルコール依存症の治療について整理します。

  • ①アルコール依存症からの回復は十分可能である

  • ②入院治療、投薬治療、心理療法など様々な治療プログラムがある

  • ③回復にはご家族の理解と協力が不可欠

 

アルコール依存症回復への道のりは決して短くありませんが、社会復帰や健康的な生活を
取り戻すことは十分に可能です。

 

決して自分たちで問題を抱え込まず、まずは専門医療機関や福祉施設等に連絡してみてください。

 

お問い合わせはこちらから:http://human-alba.com/contact/

ヒューマンアルバ〒214-0038神奈川県川崎市多摩区生田6-4-7

電話でのご相談も受け付けております。

TEL: 044-385-3000 (受付時間:平日10:0018:00)

 

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ヒューマンアルバでは、定期的に『家族会を開催しております。

依存症者を回復につなげるためには、まずご家族が対応を変えていく必要があります。

 

・つらい思いを吐き出す場として

 

・状況を変えていく学びの場として

 

ぜひ、ご活用ください。 (お申し込みはこちらから)

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参考:

アルコール依存症治療プログラム|特定医療法人豊司会 新門司会

松下幸生先生に「依存症」を訊く|公益社団法人 日本精神神経学会

e-ヘルスネット情報提供|厚生労働省

ご家族の方へ|アルコール依存症ナビ

 

ライター名: 田中瑞樹