2018/10/07

アルコール依存症における「精神依存」「身体依存」とは

お酒

「最近、夫のお酒の量が多くなってきていて心配」

「電話をかけるたび、常にお酒を飲んでいるようだ。もしかしたら息子はアル中かも!?」

「お酒を飲めない状況のときに手が震えている」

 

もしかしたらアルコール依存症かもしれない、と心配なご家族がいらっしゃる皆さん。

実は、アルコール依存症には特徴的な症状があります。

この症状を把握することで、早期の発見と治療へつなげることが可能になることも。

 

では一体、どんな症状が出てくると、アルコール依存症の可能性が高まるのでしょうか。

このコラムを参考に、家族の行動を振り返り、もし当てはまるようであれば、早めに病院や専門施設に相談するようにしましょう。

 

【目次】

  

1 アルコール依存症とは

 

アルコール依存症とは、日常生活に支障をきたしているにもかかわらず、お酒がやめられず、自分の力だけではコントロールができない状態の病気です。

 

アルコール摂取時に脳内放出されるドーパミンによる機能異常が原因です。実は、お酒を飲む誰もがなりうる精神疾患であり、病院に行けば正式な診断書も出ます。正しく治療すれば回復することができるので、早期の発見と治療が不可欠です。

 

アルコール依存症かどうかを知る方法のひとつに、WHOの調査研究により作成されたスクリーニングテストがあります。

 

以下は、アサヒビールの公式サイトによるチェックリストになります。依存症の疑いのある本人の行動を思い返しながら、試してみてください。

 

アルコール症スクリーニングテスト|Asahi外部サイトに飛びます)

 

テストの結果、「アルコール依存症疑い群」と判定されたら、

専門施設や専門家へ相談するようにしましょう。

 

2 「精神依存」と「身体依存」

 

アルコール依存症の状態は、大きく「精神依存」と「身体依存」の2つに分けることができます。習慣的に多量の飲酒を続けることにより、脳や身体反応に変化が起き、自制が効かない依存状態に陥っていくのです。

 

3 渇望が止められない、アルコールの「精神依存」とは

 

「精神依存」による症状例:

      • お酒への強い欲求が起こる、また、お酒を飲まないと不安に襲われる
      • お酒を飲みはじめると適量で抑えられず、ほぼ毎回記憶がなくなるほど飲んでしまう
      • お酒がないと家中を探し回ったり、夜中でもわざわざ買いに行ったりするほどお酒を欲する
      • お酒で失敗すると、もう飲まないと言うけれど、結局また飲んで失敗することの繰り返し
      • 飲んだ次の日は辛いみたいで、迎い酒と言って、朝からお酒を飲むことがある

 

「精神依存」とは、アルコールへの強い欲求が湧き、それを自制できない状態やお酒に頼ってしまっている状態のことです。

 

習慣的にアルコールを摂取することで耐性がつき、量が増え、次第に「適量では満足できない」「アルコールがないと物足りない」「アルコールなしではいられない」という抑制がきかない状態に。

 

アルコールの精神依存が形成されると、お酒がないと落ち着かないようになり、お酒がないか家中を探し回ったり、お酒を買うためだけに外出したりするなど、今までと行動が変わってきます。

 

長年、仕事終わりの一杯、帰宅時の一杯、風呂上がりの一杯、食事前の一杯、食後の一杯、寝る前の一杯…というように、もっともな理由をつけて当たり前のように毎日5杯も6杯も飲んでいると、そうしないと気がすまなくなるといった、脅迫概念が形成されてしまうのです。

 

4 離脱症状が起こる、アルコールの「身体依存」とは

 

◎身体依存による症状例:

      • お酒が飲めないと手や体が震えるようになる。お酒を飲むと手や体の震えが治まる
      • お酒を飲んでいないと大量に汗をかくようになったり、動悸が激しくなったりする
      • 飲酒をやめると1~2日後に痙攣、発汗(特に寝汗)、吐き気、嘔吐といった症状が出る
      • 飲酒していない時に変な虫が見えたり、人の声が聞こえたりする、といった幻覚・幻聴が生じる

 

「身体依存」とは、アルコールが切れることで、手足のふるえや動悸、発汗など体に変化(離脱症状、禁断症状)が起こる状態のことです。

 

もともと体は、アルコールを摂取すると、呼吸や脈拍などが速くなるというように影響を受けます。ところが、身体依存の状態になると、アルコールを摂取した状態が普通の状態であると体がみなすようになり、アルコールが切れると「離脱症状」と呼ばれる症状が現れるようになります。

 

離脱症状とは、アルコールが切れてくると脈拍が速くなったり、発汗、イライラ、頭痛や手が震えたりする症状のことです。

 

また、飲酒をやめて数時間に出現する症状を「早期離脱症状」。飲酒をやめてから23日で出現する症状を「後期離脱症状」と言い、大量の発汗、幻覚(見えるはずのないものが見える)、見当識障害(自分のいる場所や時間がわからなくなる)、興奮などの他に、発熱や震えがみられることもあります。

 

5 まとめ

 

アルコール依存症の症状を、まとめてみましょう。

 

      • ①飲酒の量と頻度のレベルが高い
      • ②一度飲みはじめると、酔いつぶれるまで止まらない、よく記憶がなくなる
      • ③飲酒のせいで遅刻や欠席など日常生活に支障が出ている
      • ④酔いが覚める前にまた飲まないと体が辛く、震えや発汗などの身体症状も出てくる
      • ⑤飲酒による大きな失敗や迷惑を繰り返している

 

アルコール依存症は否認の病と言われるほど、本人の自覚が難しい病気です。早期発見、早期治療のためにも、家族や周囲がアルコール依存症の症状を知り、疑いがある場合は周囲の人から専門家への相談など、働きかけることが重要です。

 

最後に、アルコールを起因とした健康・社会問題に対して国も動き出しています。

20146月にアルコール健康障害対策基本法が施行され、各市区町村レベルでの支援体制も整い始めました。アルコール依存症は精神疾患・障害として認められているため、障害者総合支援法に基づき、回復支援施設での利用料については、収入に応じて月々の上限額が設定されています。

 

詳しくはアルコール健康障害対策基本法(該当記事リンクを挿入)のコラムもご確認ください。

 

依存症の回復に向けて、私たちヒューマンアルバも回復プログラムを提供しています。

どんな小さなお悩みも、あなたの意見を尊重しながら、回復に向けて共に歩んでいきます。

相談の際には、必ずあなた、またはあなたの大事な方の回復のために力を尽くします。

どうぞお気軽にご相談ください。

 

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参考:2018年10月15日

厚生労働省

久里浜医療センター

ライター:宮口まりこ