2018/10/07

依存症の治療・回復を目的とした自助グループとは

協力

「自助グループではどんな治療が受けられるの?」

「依存症回復のための自助グループって何?」

このように皆さんお悩みではないですか。

 

このコラムでは依存症治療のための「自助グループ」という集まりについて、

病院や他施設との違いを比較しながら説明しています。

「自助グループ」という聞きなれない単語のため、なかなか相談をためらいがちな方もいらっしゃるのではないでしょうか?

自助グループの参加は依存症から回復するために必須の手段のひとつです。

これを読んでいる方が相談の決意をするために、自助グループについてわかりやすく正しい知識を記載しています。

回復に向けてのお力になれることを願っています。

 

【目次】

 

1 自助グループとは

 

自助グループ (セルフヘルプグループ Self Help Group)は、

共通の問題や悩みを抱えた人が集まり、自主的に運営しているグループのことです。

 

メンタルヘルスに関連する何らかの障害や困難、悩みを抱えた当事者同士が集まります。いずれの場合もその問題の専門家にグループの運営を委ねないで、自分たちの力で運営していることから「自助」といいます。

 

自助グループに足を運ぶと、回復を目指す多くの当事者に出会うことができます。そのような方々との出会いを通して、自らの回復の可能性を感じることができる、信じることができるようになる人も多いようです。

 

2 依存症と自助グループの関係

 

自助グループが取り扱う課題の一つが「依存症」です。

依存症の病気を1人で回復させることは難しく、断酒の苦労や回復の喜びを共に分かち合える仲間の存在が回復の助けになると考えられています。

自助グループの参加は病院や施設の通所に加え依存症回復に必要不可欠な存在です。

 

・自助グループでは何が行われているの?

自助グループではグループディスカッションやオープンスピーカーなど当事者同士が悩みを共有したり共感したりする場が定期的に設けられています。

 

他にも依存症の理解を深めるための勉強会やワーク、レクリエーション、相談会、啓蒙活動、ネットワーク形成など活動範囲は幅広いです。

あくまで「当事者」同士の集まりのため、依存症患者の家族は「家族のための自助グループ」へ参加します。依存症患者の家族は本人と共依存に陥っている可能性が高いため、参加は有効です。

 

参考:自助グループに関するよくある質問|男女共同参画センター

 

3 病院や施設との違い

 

依存症回復に向けた専門機関は大きく3つに分けられます。そのうちの一つが自助グループになりますが、それぞれどんな違い・特徴があるのかをご説明します。

 

 

概要

特徴

病院

(精神科など)

医療としての回復プログラムを受けられる場所

・医療費がかかる

・身体的なケアに加え、カウンセリングも受けられる。ただし、精神的に完治するためにはケアが不十分となる。

自助グループ

(NAなど)

当事者同士が回復に向けて支援しあう自発的な団体

医療は提供できない

・無料のところで受けられるところが多い。

・夜間や休日などに開催されているため、病院の通院をしながら参加することが可能

リハビリ施設

(ヒューマンアルバ など)

自助グループで行われるミーティングに加え、住む場所も提供されることの多い総合的なリハビリプログラムを受けられる場所

・参加費がかかる

・長期的に治療に取り組むことができる

・プログラム実施/住居の提供/金銭管理/健康管理/就労支援などを共に参加する仲間と協力しながら進めていく

 

 

クローバー 

4 日本国内における主な自助グループ

 

日本に存在する代表的な自助グループを紹介します。

どの団体も必ずやあなたの悩みを解決してくれるでしょう。

気軽に相談することから始めましょう。

 

1、アルコール依存症

・断酒会

本名を名乗ることが必須の日本独自の会員制自助グループ。全国各地で開催されている。

AA(アルコホーリクス・アノニマス)

アメリカ発祥のグループで匿名参加可能。依存症本人のみならず、

その家族へ向けたミーティングも開催している。

・アラノン

アルコール依存症患者の周囲の人(家族や友人)のための自助グループ。

・家族の回復ステップ12

アラノンと同じくアルコール依存症患者の周囲の人(家族や友人)のための自助グループ。

匿名参加可能。

 

2、薬物依存症

NA(ナルコティクス・アノニマス)

匿名参加可能な薬物依存症のための自助グループ。

「女性」「男性」「性的マイノリティ」などの特別ミーティングもあるのが特徴。

・ナラノン

薬物依存症患者の周囲の人(家族や友人)のための自助グループ。

・薬家連(全国薬物依存症者家族会連合会)

薬物依存症患者の家族のためのグループ。

全国各地で開催され、様々な場面の相談に応じている。

MDAA(メディカル・ドラッグ・アディクション・アノニマス)

薬物依存の中でも、処方薬・市販薬依存症患者のための自助グループ。匿名参加可能。

 

3、ギャンブル依存症

GA(ギャンブラーズ・アノニマス)

全国各地で開催されている匿名参加可能な自助グループ。

事前予約の必要がなく、無料で参加できる。

・ギャマノン

ギャンブル依存症患者の周囲の人(家族や友人)のための自助グループ。

・ギャンブル依存症家族の会

依存症患者の家族のためのグループ。

 

その他の種類のアディクションに関しても自助グループが存在しています。

下記リンクからご確認ください。

 

参考:自助グループ一覧|特定非営利活動法人アスク

 

5 自助グループへの参加

 

自助グループには事前申し込みの必要がなく、無料で参加できるプログラムがほとんどです。

気軽に参加できるため、自助グループに参加したいときに知っておくと良い3ステップをまとめました。

 

ステップ1)自分にとって参加しやすい環境のグループを選ぼう

ミーティングには種類があり、「オープンミーティング」は、ご家族・医療福祉・行政関係者など依存症者以外の方でも参加可、「クローズドミーティング」は、当事者のみの参加です。

どの会場、どのミーティングでも参加可能ですが、初めは限定されたテーマのもの(社会人限定など)を避けた方が参加しやすいです。

 

ステップ2)個人情報は伝える必要はありません

初回は、開始時間の15分くらい前に行きましょう。会場係の人を探し『初めて参加します』と伝えると、グループの説明、ルールなどを教えてくれます。

本名を名乗る必要のないグループが多く、他の個人情報も基本的に出さなくて大丈夫です。

 

ステップ3)ミーティング中は精神的に無理をしないようにしましょう

自分の依存状態の話をすることは初め、とても負荷の高いことです。

話したくないときは素直にパスをしても大丈夫です。皆、当事者ですから、気持ちをわかってくれます。強制されることはありませんし、最初は場の雰囲気を見る・まわりの人の話だけを聞くだけでも意味があります。

また、ミーティングで聞いた話は外では話さないようルールを守りましょう。

 

6 まとめ

  • ①自助グループとは、共通の問題や悩みを抱えた当事者同士が集まり、自発的に運営しているグループのことです。依存症の自助グループも多く存在し、回復へ向けた取り組みとして参加することが重要です。
  • ②病院は医療的なプログラムを受けられる場所。自助グループは精神的な完治のために回復プログラムを受ける集まりのこと。リハビリ施設は精神的な回復プログラムを受けるのに加え、回復に向けた総合的なサポートを受けられる場所、という違いがある。
  • ③全国各地に自助グループは存在し、無料・申込不要・匿名参加可能な気軽に参加できるものが多い

 

このコラムで伝えたいことは、自助グループはとても参加しやすい集まりだということです。

依存症患者本人のみならず、その周囲の方々も、現場から抜け出すためには参加が必須の集まりです。

どうか、今よりも状況が悪化し悩んでしまう前に、1日も早く相談から始めましょう。

 

また、依存症の回復に向けて、私たちヒューマンアルバも回復施設として回復プログラムを提供しています。

どんな小さなお悩みも、あなたの意見を尊重しながら、回復に向けて共に歩んでいきます。

相談の際には、必ずあなた、またはあなたの大事な人の回復の一歩のために力を尽くします。

 

どうぞお気軽にご相談ください。

 

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参考:2018年10月11日

特定非営利法人 日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン

子ども情報ステーション

神奈川県立精神医療センター

特定非営利活動法人 東京DARC

ライター:宮口まりこ