2018/09/06

薬物依存症の治療方法とは。回復に向けた治療方法とステップを解説

病院 薬物依存症

「薬物依存の家族がいるけれど、どんな治療を受けさせるべきかわからない」

「薬物依存症の治療ってそもそもどんな方法があるのだろうか」

 

あなたはこんなお悩みをお抱えではありませんか?

薬物依存症は近年、一般の若年層にも広がりを見せる、誰にでもなりうる可能性のある病気です。

また、薬物依存は一般的には麻薬や覚せい剤といった違法薬物の使用が多く報じられますが、

実際は、市販薬や処方薬の乱用によっても陥る可能性があります。

 

このコラムでは薬物依存症の治療方法や回復に向けたステップについてご説明しています。

薬物依存症は回復が可能な病気です。
解決を諦め、見放してしまう前に、このコラムを読み、適切な知識と行動によって問題を解決していきましょう。

 

目次

1、薬物依存症とは
2、 薬物依存症は治療できるのか
3、 薬物依存症の治療までのステップ
4、 薬物依存症4つの治療方法
5、 まとめ

 

1、 薬物依存症とは

薬物依存症とは、自分の意志では薬物の使用をコントロールできなくなってしまう精神障害のことです。
大麻やシンナー、覚せい剤、さらに市販薬や処方薬といった薬物の乱用を繰り返すと、薬物依存という「状態」に陥ります。薬物依存状態とは WHOによると、薬物乱用の結果として生じた脳の慢性的な異常状態であり、その薬物の使用を止めようと思っても、渇望をコントロールできなくなった状態のことです。こうなると日常生活に支障が出てもやめられない、また薬物を手に入れるためになりふりかまわなくなります。

また、身体的にも幻覚やけいれん等の異常症状が出ます。これを「離脱症状」と言います。逃れるためにまた薬物を使用する。これが依存症の進み方です。

薬物依存症概要:参考リンク
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=30

 

2、 薬物依存症は治療できるのか

では、薬物依存症は治療が可能なのでしょうか?
結論から言うと、薬物依存症の完全な治療方法はありません。
しかし、適切な指導を受け続け、薬物を使わない生活を繰り返せば、

健康的な生活を送るまで回復させることは可能です。

一般的に、薬物への欲求が一度抑えきれなくなった脳は、半永久的に元の状態には戻らないとされています。

いくら薬物使用をやめても、「薬物のことを思い出す」といった些細なきっかけだけで薬物への欲求が戻ってきてしまうためです。

この欲求を完全に消すことはできず、だからこそ薬物依存症は完治できないと言われています。

日常生活に支障のない日々を送れるよう、回復へ向けた適切な治療を行って

健康と信用を取り戻していくことが大事です。

 

救急車のミニカー

3、 薬物依存症の治療へのステップ

薬物依存症は否認の病と言われ、基本的に対象者本人は治療を嫌がります。そのため、治療には家族の協力が不可欠です。まずは、治療に向けてどんなステップを歩んでいくべきかを学びましょう。ステップは次の3つに分かれます。

 

ステップ1)薬物依存症であることを理解する

まずは、これをお読みいただいている家族の方へ、疑いのある方が依存症かどうかを確認しましょう。下記のチェックリストをご確認下さい。
・1〜4個チェックがつけば依存症になりかけの初期段階
・5個以上チェックがつけば薬物乱用・依存症段階と判断されます。

 

【薬物依存症チェックリスト(周囲の方向け)】

□ 家の中で薬物を使うことがあった
□ 家の中から薬物や薬物の容器、薬物使用のための道具が出てきた
□ 薬物を買うためにうそをついたことがあった
□ 感情の起伏が激しく、人が変わったように感じることがあった
□ 薬物のことについて質問すると、不機嫌になることがあった
□ 薬物の問題で休学、退学したことがあった
□ 薬物を使った状態で怪我をしたことがあった
□ 薬物を使って家の中または外で暴力をふるったことがあった
□ 薬物を使っているのが見つかっても開き直ることがあった
□ 薬物を買うために他人を脅したり、傷つけたことがあった
□ 本人が作った借金の督促がきたことがあった
□ 薬物をやめることを条件に、金や援助を求めたことがあった
□ 薬物使用で身体的な問題が起き、医療機関を受診した
□ ときどき意味不明のことを言い、行動がまとまらないことがあった
□ 薬物依存症、薬物中毒、中毒性精神病と診断させたことがあった
□ 薬物を使うのをやめさせるために入院させたことがあった
□ 薬物をやめさせるために本人に対して暴力を振るったことがあった

また、自身が薬物依存症か確認したい方は、下記のチェックリストをご確認下さい。

こちらはICD-10という国際的な物質依存症候群の診断基準で、

以下の6項目のうち、3項目以上が過去1年間に繰り返し認められるとき「依存状態」と診断されます。

 

【薬物依存症チェックリスト(本人向け)】

□ 薬物を摂取したいという強い欲望、切迫感がある
□ 量を控えよう、やめておこうと思っても、自分ではコントロールが効かない
□ 摂取をやめると離脱症状が出る(発汗、震え、不眠など)
□ 効果に慣れて「耐性」が生じている(以前と同じ量では効かなくなってきた)
□ そのことで生活が占領されている(仕事など他のことへの影響)
□ 心身の健康に悪影響が出ていると分かっているのに使用を続けている

本人に依存状態であるかを自覚させるためにも、こちらもぜひ確認してみて下さい。

 

ステップ2)治療することを本人が決断する

ご家族、または本人が依存症であることを理解したら、本人が回復する意思を持ち、行動を決意するよう導いていきましょう。
依存症治療時において、家族だけが「治したい、どうにかしてほしい」と思っても本人が「大丈夫だ」と嫌がるケースは少なくありません。
しかし、治療を開始するには、本人による決断が必要不可欠です。
そのために、まずは本人ではなくご家族の方が周りの医者や家族会、回復施設等に相談に行き、本人が少しでも希望を持てるようにサポートしてあげることが大事です。

 

ステップ3)治療を開始する

依存症者本人が治療の決意を固めたら、本人の意向も含めて治療施設や治療方法を相談し、実施していきましょう。
具体的な治療方法については次の章でご説明します。

この3ステップをみてわかる通り、依存症は治療の前に「本人が依存症であることを認め、治療意欲を持つ」ことが大切です。依存症は生き辛さが原因となっているので、薬物を断たせることでは根本的解決とはなりません。
そのため、いざ治療に入る前のこの事前ステップが重要なのです。

 

4、薬物依存症の4つの治療方法

薬物依存症の治療には、主に下記の4つの手法が存在します。それぞれの治療の内容と特徴をお伝えします。

1, 依存症教育

依存症とはそもそも何なのか、そして依存症によって引き起こされる問題について理解していき、依存症者本人への自覚を促す治療法です。

全ての方に必要な手法になります。また、本人のみならず、家族の方も共に教育を受けることが大事です。

 

2, 個人精神療法

個別に行われるカウンセリングです。精神科医や臨床心理士、ソーシャルワーカーなどと1対1で話し合い、個別のアドバイスを受けます。

医療機関によっては薬物依存症以外に合併している精神疾患(うつ病、双極性障害、統合失調症など)の治療を同時並行して行えるのが特徴です。

 

3, 集団精神療法(自助グループ)

医師やソーシャルワーカーの指導のもと、依存症当事者たちが複数人で自分の問題について話し合い、回復について一緒に考えていく治療法です。

また、夜間に行われるところもあるため、働きながら依存症を回復したい方にも受けやすい手法です。

 

4,入院治療

病院による徹底した環境管理プログラムです。
健康管理、個別相談、生活指導、金銭管理まで、絶対に薬物の手に入らない環境で寝食住が病院に管理されます。
症状が重篤な方や、精神/健康状態が特に不安定な方、定期的な通所すら難しいような方は入院による治療が必要かもしれません。

これらの手法はそれぞれ一長一短があり、「これだけやっておけば大丈夫」というものではありません。実際の援助場面では、医療機関によるプログラムと依存症経験者・関係者主導のプログラムをうまく組み合わせて治療を進める場合が多く、それが最も成果が上がりやすい方法です。

自然

 

5、まとめ:薬物依存は家庭内で解決できる問題ではありません

 

    • 1, 薬物依存症とは薬物使用の使用を止められなくなり、自身をコントロールできなくなることをいいます。生活や健康にも支障が出る状態のことです。
    • 2, 一度薬物依存になると完治はできませんが、回復施設の治療により回復させることは可能です。
    • 3, 治療方法には一長一短があり、状況に合わせて適切な手法を組み合わせて受診していくことが大事です。

薬物依存症は心の病気です。
以前の生き方では無理があり、心の痛み・苦しみに耐えられなかったからこそ、

本人は依存行動を繰り返し依存症に陥ってしまったのです。
ですから、依存対象を手放すためには「新しい生き方を身につける」事が回復のゴールとなります。
「ここまでいけばOK」という基準はなく、生涯向き合っていくのが「依存症からの回復」です。

自分と向き合う中で、少しずつ生きやすくなる。
楽に生きられるという実感を得ていくことから、回復が始まります。

 

私たち、ヒューマンアルバでは依存症回復に向けた無料相談を行っています。
そこでは、依存症の当事者やその家族として依存症を体感した経験を持つスタッフが

薬物依存症の方やご家族一人一人に寄り添った対応を行なっています。

・治療を受けさせたいけど、費用面に不安がある。
・不安、怖い。誰か助けてほしい。

どんな小さなお悩みも、あなたの意見を尊重しながら、回復に向けて共に歩んでいきます。
お気軽にご相談ください。

 

お問い合わせはこちらから

http://human-alba.com/contact/
ヒューマンアルバ
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電話でのご相談も受け付けております(受付時間:平日10:00〜18:00)
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参考
日本精神神経学会―薬物依存症
https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=30
厚生労働省―みんなのメンタルヘルス
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_drug.html
NHK 福祉ポータル ハートネット
http://www.nhk.or.jp/heart-net/izonsho/about/index.html
国立精神・神経医療研究センター
https://www.ncnp.go.jp/hospital/guide_s_outpatient/detail10.html
依存症の全てがわかる本 渡辺登 講談社
薬物問題を持つ家族のための家族教室 6回シリーズ 西村直之ほか アジア太平洋アディクション研究所

ライター:宮口まりこ