2018/04/02

アルコール依存に悩む家族が、できることは?③

STEP3.本人への接し方/コミュニケーションを変える

1. I message(自分を主語にした伝え方)

本人のことを思えば思うほど、私たちは説教したり責めたりしてしまいがちです。 本人も心のどこかで「このままではまずいかも」とは思いつつも、まだ回復の決心ができていない段階であるため、耳をふさいで聞こうとしません。 その態度に家族がいらっとし、余計に口調が強くなるという悪循環に陥ってしまいます。

 

その状況を改善していくためにまず必要となるのが、上手な伝え方、です。 伝え方を工夫すると相手の反発が少なくなり、こちらの気持ちが伝わりやすくなります。

 

このような伝え方を、I message(アイメッセージ)と呼びます。 「お前はいつもそうだ!」「あなたはなんでそうなの!」という、Youを主語にした言い方をすると、言われた方は攻撃されたと思い、身構え、反撃に出ます(暴言・暴力)。 しかし、主語をI(私)にすると、どうでしょうか。

 

例:

①こんなに遅く帰ってくるなんて、どうして(あなたは)いつも事前に連絡ができないの!!(You message) ⇒連絡がないから、心配した。今度遅くなるときは、事前に連絡もらえたら、(わたしは)嬉しいわ。(I message)

②(おまえは)家族のことなんか、どうでもいいと思っているのか!(You message) ⇒君にとって家族はどうでもいいものなのかって考えると、オレは悲しいよ。(I message)

 

さて、あなたは普段、どちらの言い方が多いでしょうか? 振り返り、あなたが主語のYou messageが中心になっている場合は、少しずつI messageに変えられるよう、意識するとよいかもしれません。

 

 

2.ポジティブ(前向き)な言い方

I messageに加え、普段の会話に「ポジティブな言い方」を追加してみるとさらによいです。

ご家族が依存症を抱えている家庭は、どうしても意識しないと、関係がギスギスしてしまいがちです。

会話の中にもネガティブ(否定的)な言い回しが多くなり、関係はどんどん悪化していきます。

 

例を見ていきましょう。

①また借金をしてきたのね...。あんたなんかと結婚しなければよかった!(ネガティブ) ⇒これ以上借金が膨らむと、一緒にいることが難しくなってしまうわ。どうしたらいいのか、一緒に今後のこと話し合いましょう。(ポジティブ)

②どうしてあなたは自分の話ばかりして、私の話はきいてくれないの!(ネガティブ) ⇒私にとって、すごく大事な話なの。聞いてくれないかしら。(ポジティブ)

 

ネガティブな言い方とポジティブな言い方。自分が言われたとして、あなたはどちらのほうが、相手の話を聞く気持ちになるでしょうか。 長年の習慣を、ましてや相手に苛立っている中ですぐに変えることは難しいかもしれませんが、少しずつでも意識して変えてみてください。

 

 

3.結論を端的に言う

相手に苛立っている場合、どうしても日頃のうっぷんをはらそうと、話が長くなってしまいがちです。 かつ、話の焦点もどんどんずれていってしまう傾向にあります。

 

例えば・・・

 

「彼のご両親の前で醜態をさらして、一体どういうつもりなの!あれだけ今日は飲んでくるなっていったのに!娘の結婚のこと、あなたにとって大事じゃないの...?あなたはいつもそうよね、私のいうことは全然聞いてくれない。今日だけじゃないわ、昔からそうよ。去年のあの日だって、、、」

 

ついつい、このように、自分の言いたいことを言い続けていませんか? 怒る気持ちは十分にわかりますが、これでは相手も途中で聞く気をなくしてしまいます。

 

では、言い方を以下のように変えてみたら、どうでしょうか?

 

「せめて大事な日にお酒を飲んでくるのは、やめてほしいわ。家族の関係が悪くなってしまうのはとても悲しいの。」

 

何をいいたいのか明確にし、一度に一つのことをいうの大事です。

※I messageも、忘れずに!

 

 

4.具体的な行動を提示する

つい私たちは、特に怒っているときは、「もっと父親らしく(母親らしく)してよ!」「どうしてあなたはいつもそうなの、しっかりしてよ!」と、自分の感情だけぶつけ、具体的にどうしてほしいのかを伝えそびれてしまいます。

 

「もっと娘のことを考えてよ!」といって「考えてるよ!」と返されたら話は終わってしまいますし、あなたの中の「もっと」の水準と相手の「もっと」の水準は違うかもしれません。

 

抽象的な表現より、具体的な表現のほうが、あなたの望む結果が得られやすいです。

 

例:

①もっと父親らしくしてよ!(あいまいな表現) ⇒息子の前で酔った姿をみせないでほしいの。せめて、息子が寝てから飲むようにして。(具体的な表現)

②あなた、いつも「今日でやめる」とか「何とかする」っていってるよね?だったら、何かしなさいよ!!(あいまいな表現) ⇒隣町に、専門の病院があるみたい。一緒に行ってみない?(具体的な表現)

 

今回は、本人とそう接するか、というテーマで考えてみました。 しかし、ご家族は依存症のご本人から、辛い思いをさせられていて、なかなか「相手を気遣う」というのが心理的に難しいかもしれません。

まずは自分が満たされた状態になってからのほうが、相手のことを気遣いやすいと思います。

 

そこで次回以降は、「家族自身が幸せになることを考える」というテーマでやっていきたいと思います。