株式会社ヒューマンアルバ

依存症コラムアルコール依存症を助長する、イネイブリングとは?

イネイブリングとは?

イネイブリングとは、良かれと思って本人を助けようとする行動が、結果的に相手の問題・症状を助長してしまう行動のことを指します。

 

酔って吐いたものを処理したり、壊したものの弁償をしたり、借金の肩代わりをしたり・・・

 

家族にとっては、本人のためを思ってやっていることですが、当の本人は何の苦労もせず、事態が収まってしまっている、という状態になっています。 無責任な行動をとっても痛い思いをせず家族がなんとかしてくれるのであれば、現状を変える努力を本人はするようになりません。

それでは、どうしたらいいのでしょうか?

 

まずは、「自分がしている(あるいは、将来的にしそうな)ことがイネイブリングかどうか」を知ることが大事です。以下に、イネイブリングの種類と、それに変わる別の対策を記載します。

 

 

1.叱る・説教する

酔っ払って帰ってきたアルコール依存症の夫(あるいは妻)に向かって、あれこれ説教をしたくなるものです。

しかし、本人は、「うるさいな」としか思っていません。

 

相手に不満をぶつけるだけの手段としては有効ですが、事態を変えるための手段としては、代わりに以下がよいと思われます。

 

[代わりの対応]

・その場では何も話さない  →酔っていたり、クスリを使っている相手に話しても、大抵は無駄になります。別の、本人がシラフの状態で、落ち着いて話すのがよいでしょう。

・夜遅くまで帰りを待たない  →いきなり知らんぷりではなく、事前に「心配しながらずっと待っているのは辛いので、遅いときは先に寝ていますね。鍵は渡しておくから、自分で鍵を開けて入ってね」と伝えておきましょう。

・「なんであなたは(おまえは)○○なんだ!」と言わない  →相手がいくらいってもあなたとの約束を守らない時、ついつい「おまえは」という責める言い方になってしまいます。しかしそこは「事態を変える」ことを優先し、「昨日はすごく心配したよ」「約束守ってくれなくて、辛かった」等、自分自身の気持ちや状況を伝える言い方に変えましょう。

 

 

2.世話焼き・肩代わり

酔いつぶれた人の服を脱がせ、着替えさせ、布団まで運ぶ。 暴れて壊したものの後始末も家族がする。

また、薬物で昼夜逆転しがちな本人に代わって会社に休みの電話をしてあげるなど、本人の世話を家族がしてあげることで本人が「まだ大丈夫だ」と安心してしまうのです。

 

しかし、そうはいっても「今日から一切、何もしてあげない」というのも、家族からしたら難しい決断ではあると思います。 ※例えば、酔った人が真冬に道路で寝込んでしまったら、命の危険があります。

 

そのために、

・どんな状況が起きやすいか(起きると想定できるか)

・その場合、どんな対処をするか

 

この2点を、予め整理しておきましょう。

 

例えば、以下などが挙げられると思います。

 

・家の中で寝てしまったら、布団まで運ぶ労力をかけず、そのままにしておきましょう。 (風邪をひく、ぐらいであれば大事ではないと思います)

・外で酔って寝てしまったら、玄関までは入れて毛布などは掛けてあげましょう。翌朝、「外で寝ていたので、ここまでは運びました。心配だから毛布かけておきましたよ」といえば良いでしょう。

・壊したものは、本人の酔いがさめるまで、そのままにしておきましょう。起きてから、「こんなことがありましたよ」「すごく悲しかった」と言って、「これはどうしましょうか」と本人に聞いてみましょう。あくまで、自分の起こした問題は自分で処理をさせましょう。 ※床にガラスが飛び散って、家には小さな子供がいる、など危険がある場合は回避するための最低限の処理(ガラスだけは片付けておく、等)はしておきましょう。

・アルコール、ギャンブル、薬物などがきっかけでできた借金は、絶対に肩代わりしないことです。業者からの督促があると思いますが、こちらをご覧頂き、決してご家族が対処しないようにしてください。

・会社を遅刻・休むにしても、別にご家族が電話をしてあげる必要はありません。「これ以上言い訳するのは辛いので、ご自分でお願いします」と伝えてみてはいかがでしょうか。

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