株式会社ヒューマンアルバ

依存症コラムアルコール依存に悩む家族が、できることは?⑤

STEP5.「一緒に回復しよう」と提案する

提案にはタイミングが重要

本人は、自分が依存症であることをなかなか認めません。 そんななか、ただ闇雲に提案するのではなく、タイミングを見計らって治療・回復を提案すると効果的です。

 

①本人が問題を起こしたと自覚した時、嫌なことがあった時

本人が何か問題をお越し、後悔している時に提案すると良いです。

 

・飲酒運転で事故を起こした、逮捕された

・仕事に支障がでて、なにかしらの罰(減給等)、あるいは解雇された

・借金の返済がどうにもならなくなった

・友人との大切な約束を守れず、つきあいを断たれた

・子供や孫から酒臭いと言われ、近寄られなくなった

 

また、ここでも伝え方はSTEP3.でご紹介した I message等を意識して、伝えましょう。

 

例:

もう苦しむあなたをみるのは辛いわ。一度でいいから、私と一緒に相談にいってくれないかしら?

 

 

②気になる素振りを見せた時

あなたが回復施設や自助グループに行って相談している様子をみて、

 

・どんな話をしているんだ?

・そんなところにいってどうするんだ

・よく飽きもせずに

 

などと、小言をいいながら実は気になっている様子などが見られたらチャンスかもしれません。

「最近不安になることが多くて、先生に相談に行っていたの。気持ちが楽になるわ。もしよかったら、あなたも行ってみない?」と、強制はせずあくまで提案する、というスタンスで誘ってみるのが効果的です。

 

 

③あなたの変化に気づいた時

ご家族への接し方を勉強されているあなたは、自然とご本人への接し方が変わってくるはずです。そして、その様子はご本人も遅かれ早かれ気づくことでしょう。

 

・なんか、この頃、お前変だな

・前は小言ばかり言っていたのに、何も言わなくなったな

・何か企んでいるんじゃないだろうな?

 

このようなことを言われ、ご本人があなたの変化に関心を持っている様子がみられたら、「そうなの。どうしたらあなたの役に立つか、先生に相談して勉強しているの。もしよかったら、あなたにも協力してもらえると嬉しいわ。」 のように相手に言ってみるのも良いかもしれません。

 

 

治療・回復につなげるための工夫

ご家族には、「本人は何も考えてない」「気楽なもんだわ」と見えても、本人は心の何処かで、「このままではまずいかも」「なんとかしないと」と少なからず感じているはずです。

 

しかし、依存症とは、

 

・わかっていてもやめられない

・それなしでは、生きていけない(という強迫観念)

 

という状態ですので、「入院だけはしたくない」「酒なしの人生なんて考えられない」という気持ちもあり、心の中で揺れている状態なのです。

 

この状態の人に対して、アプローチの仕方として、何点かポイントが有ります。

 

 

①本人の心のハードルを下げる

本人は、入院となるととたんに拒否反応を示します。

いきなり入院を進めるのではなく、「まずは、相談だけしてみない?」と誘いましょう。

そして相談する中で、本人の回復意志が徐々に高まることを期待しましょう。

また、回復施設や自助グループを勧める際にも、「一度だけ」「ためしに、見学だけ」のように、ハードルを下げた提案が有効です。

 

 

②さりげなく誘う

「お前は病気だ!」「病院に行かないともうダメなんだぞ!」などと、何がなんでもイエスと言わせようと意気込んで強い口調で迫る方がいらっしゃいますが、あまり効果的ではありません。

本人が気になるそぶりや、何か問題を起こしてしまった時に、「もしよかったら、一緒に行ってみない?」とさりげなく誘ってみることをおすすめします。

 

 

③本人が安心できる情報を提供

もしご家族が事前に病院に行かれたり、近隣の回復施設について調べられているのであれば、「その回復施設のスタッフの方は話しやすい方だ」「治療を強制せず、丁寧に話を聞いてくれる」等のように、本人が相談に行ってもいいかも、と思えるような情報を提供しましょう。

 

 

最後に

いかがでしょうか?

最初の一回でうまくいかなくても不安にならず、「次の機会に」と考え、また試してみてください。

 

無理に食い下がって気まずい空気にせず、本人がまだ気乗りしなそうであれば、「また今度考えてみて」といって、別の話題にしましょう。

 

治療・回復をすすめるチャンスは、「必ずこのタイミングで来る」とはなかなか良いにくいものですが、今までご紹介した手法を使えばチャンスは訪れやすくなり、かつ治療・回復につながりやすくなります。

不安なこと・わからないことがございましたら、ぜひこちらから、ご相談ください。

 

「自分を心から気遣ってくれる人がいる」と本人が感じれば、本人は治療・回復につながります。

まずはご家族が倒れないこと・健やかに生きることを重視しながら、辛抱強く、取り組んでいきましょう。

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